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鷹塔家一の悪童と噂され畏れられている僕を可愛いというお前の頭の中も大概カワイイけどな。なんて口には出さないけれど。
「……あ、あ〜……弱ったなぁ」
「? どうした」
僕の身体を抱き締めていた腕が惑うように緩められる。
「坊ちゃん……怒らない?」
「だから、どうしたんだって」
「えーと……」
えへへ、と笑いながら誠之の掌が僕の腕を掴む。そのまま奴の股間に導かれると、小さく膨らんだ男の主張に触れさせられる。
「お前……」
心底呆れ顔で幼馴染の顔を睨めば、ごめんねと謝られた。
「ふざけんな。昨日あんだけやっといて。さっきだってやったのにどんだけお前っ……」
「だって坊ちゃんが可愛い事するから〜」
言って再度ぎゅうっと抱き締めてくる。首に顔を埋める様に抱き着かれ、その拍子に耳朶を奴の唇が触れてピクリと身体を竦めた。
「ね、坊ちゃん」
吐息混じりに鼓膜に流しこまれた低音ボイスに、コクリと喉を鳴らす。
「な、に……?」
「俺の、触って……?」
「えっ……」
誠之は自分のジーンズの前を寛げると主張を始めた己の物を取り出し、返事を聞く前にそれを僕に握らせる。
「え、ちょ、まっ……」
「待たない」
「はぁ? てめっ……」
誠之のモノを握った僕の手の上から自分の掌を重ねると、上下にゆっくりとシゴキ始める。
「おい、誠之」
「なぁに……?」
文句を言ってやろうとしたけれど、ふーっと耳に息を吹きかけられ「ん」と口を噤む。
「ふふ、坊ちゃんは耳が性感帯だもんね。ふーって息を吹きかけられただけで感じちゃうんだよね」
「ふざけ、んな。誰が……」
「あれ、そんな事言っちゃう? だったら……」
いいながら吐息と共にねっとりとした熱い物が僕の耳朶を舐め上げる。それが奴の舌だと認識した途端、ズクリと股間になんとも言えない甘い痺れが走る。
「ん、あ……」
耳朶を舐め上げる唾液のねちょりとした水音と、鼻にかかった誠之の喘ぎにも似た吐息が僕の鼓膜を犯す。くすぐったく心地よい感覚に、僕の口からも小さな喘ぎがもれた。
「は、や、やめ……」
「やめて? 嘘。ホントは気持ちいいくせに」
耳朶を舐めていた舌先が耳の中へと侵入してくる。つつく様に耳の中でゆっくり動く舌の感覚に、堪らず身震いする。
「……ふふ、ほんと感じやすいよね坊ちゃんは。か〜わい」
からかい口調で言いながら、ねっとりと耳の中を舐められる。なんとか声が漏れないようにと歯を食い縛るけれど、するりと股間に伸びて来た長い指先に「あっ!」と悲鳴をあげた。