-
彼の気持ちなんて
-
夕べの事だった。
俺の友達、一敏が、言っていた。
「俺の好きな人を紹介するよ」
と。
好きな人なんて、そこら辺に、居る。
可愛い子なんだろうなって、思った。
好きな人が、出来るって、物は、差ほどのない事、 である。
「そっか、好きな人か。いいかもな」
俺は、一敏を見ながら、そう言った。
その方が、楽だと、思ったからである。
好きとは、まぁ、いがしたない。
物であった。
暫くして、彼は、言ってのけた。
「好きな人、お前なんだけどね?」
と。
良くわからずに、ただ、その、話しを聞いて、驚きを隠せなかった。
何故、俺?
なんで、俺なの?
と、思うばかりだった。
こんなの、ただの、春の終わった、頃の出来事だと、思うようになった。
「何…言ってるの?お前…」
少し、可笑しくなって、笑った。
そんなの簡単な事だと
俺は、思ったのであった。
「はい?」
一敏が、キレた。
あまり、怒らない、一敏が、だ。
何故か、怖くなって、ごめんと、一言行って、別れた。
未だに、彼の言っている事が、わからなかった。
「あいつに、聞くしかないか…」
と、手を打った。
その方が、まだ、ましだと、思ったからである。
その方がいいのかも…と。