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好きななんだよ
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囁き声が、低くなってきた、静雄
本当は、トムと、こんな事をしているのなんて、悪いと思っていた。
トムには、好きな女性が、いるのではと、思っていた。
腰を痛めながら、トムに、言った
「好きな女性って、居るのですか?トムさん」
「えっ…あぁ…」
トムは、言った。
昔、好きな女性が、居た事を、そんなにも好きになっては居なかったがと。
「そんなですか…」
静雄は、悲しくなった。
俺の気持ちは、トムさんに対するその人への想いよりも、上なのだろうかと、思ったのであった。
少なからず、そんな事も、あるであろうと、思った。
「愛してるよ…」
と、トムは、言った。
びっくりして、静雄は、やさしく笑い。
「はい…」
と、いいのけた。
そこまでも、好きなんだと、気付き始めたからである。
「大切です…。」
「俺も…。」
好きなほど、愛せると、思った。
好きなほど、愛しやすいと、思った。
近くにいたのは、切なさだった。