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好きなほど
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「愛おしいんだよ…イザヤ…」
両手をイザヤの頭を掴みながら、静雄は、言った。
そこまでかなんて、イザヤは、思っていた。
こんな人間が、居るなんて、思いもしない。
「この頃のしずちゃん、よくわからないよ?」
なんて、言った。
昔の静雄は、ノミ蟲と、罵りながら、物をぶつけたりするのに、今日は、違っていた。
「会いたかった…」
「えっ?…そう?」
なんて、思いながら、また、この人の夢の話しなんだろうなって、思った。
そこまで、俺に惚れているのか、このバケモノは…なんて、思いながら。
「好きだよ…」
「あー…ありがとう」
素っ気なくして、しまった。
イザヤの場合は、そのままでいいのにと、思いながら。
この人を見ている。
いつもと変わらない、日常に、この人は、居る。
この人、いつものように、ごみ箱など、持ったりして、俺を殴る。
そこまでもか、と、思いながら、この人を見ている。
「本当にその人好きなら、告白してれば?」
なんて、言った。
そしたら、この人は、こういう。
「お前の方がいいんだよ…馬鹿…」
居なくなっても…なんて、言ってた。
なんでなかー?
どうしてかなー?
なんて、思いながら。
いつものように、この人を見ている。
「まぁ、その人も、好きなんだろうね?君の事」
なんて、言ったら、イザヤ…。と、言われて、キスを、去れた。
「好きだよ…?」
「ありがとう…」
この会話ばかりだが、俺にとっては幸せだと、イザヤは、思ったのであった。