-
愛されたい
-
「好きなんだよ、お前の事…」
「誰に言われたの?それ?」
「教えない…」
この人は。
このバケモノは。
全然、変わってた。
好きな物を好きと、言わなくなった。
この人は、本当に周りを見ていたと、イザヤは、思った。
「そんなにも、好きなら、コクってしまえば?」
またもや、いってしまった。
この人は、また、言うのであろうかと、思った。
けれど。
「今日は、言わないよ。」
と、言った。
「相変わらずだね?」
と、イザヤは、言った。
そしたら、静雄は、目を大きく開いて、イザヤを見ていた。
「えっ…?」
イザヤは、思った。
きっと、あの人に、取られるのであろう。
あの人の方が、いいのであろうと。
そうやって、思いながら、静雄に、自分から、キスを、した。
「忘れてね?」
そんな事を思いながら。