▽にしおりをはさみました!
- しおりがはさまれています
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▽
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「……起立!」
ガタッ
日直の声で席を立つ。
「……気をつけ!」
ガチャッ ガチャッ
シューティンググラスをかけて、安全装置を外し標的に的を絞る。
「……れー───い!!!!
礼、の号令で一斉射撃が開始された。
「……発砲したままで結構です。出席を取ります。磯貝くん」
「はい」
「銃声で聞こえにくいので大きな声でお願いします。磯貝くん」
「はい!」
発砲されているのを気にもとめず〝先生〟は出席を取り始めた。
「………吉田くん」
「うーす」
「東西南北さん」
「……はい」
「遅刻無しと...素晴らしい!先生とても嬉しいです」
全てのBB弾を避けて出席を取り終わった〝先生〟は顔に〇を作って笑った。
「残念ですねぇ、今日も命中弾はゼロです。数に頼る戦術は個々の思考をおろそかにする。目線、銃口の向き、指の動き、一人一人が単純すぎます。もっと工夫しましょう。でないと………最高時速マッハ20の先生は殺せませんよ」
「本当に全部よけてんのかよ 先生!どう見てもこれただのBB弾だろ?当たってんのにガマンしてるだけじゃねーの!?」
「「そうだ。そうだ!!」」
前原くんの抗議にみんながのっかる。
「………では弾をこめて渡しなさい。言ったでしょう。この弾は君達にとっては無害ですが……───」
岡野さんから受け取った銃を手に取り、自分の腕に銃口を向け撃つ。
パンッ──…ブチュッッ
「「「「 !!? 」」」」
生々しい音をたてて先生の触手が弾けた。
「国が開発した対先生特殊弾です。先生の細胞を豆腐のように破壊できる。あぁ、もちろん数秒あれば再生しますが。だが君達も目に入ると危ない。先生を殺す以外の目的で室内での発砲はしないように───………殺せるといいですねぇ。卒業までに」
ヌルフフフフ……と奇妙な笑い声を上げながら顔を緑と黄色の縞模様に変えた。あの皮膚どうなってるんだろう。
「それでは銃と弾を片付けましょう。授業を始めます」
まぁ、私にとってこのタコ型超破壊生物の暗殺や地球存亡の危機とかどうでも良い。それよりも大切で重要なことが私にはあるのだから。
私の思いを置いていき、このクラス──暗殺教室の始業のベルが今日も鳴る。
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