◆にしおりをはさみました!
- しおりがはさまれています
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どのくらい寝ていたのだろう。居間からテレビの音が聞こえる。神楽が買い物から帰ってきてるんだと思ったなまえは起き上がると、額から熱を冷やしきってパリパリに乾いた熱さまシートが軽い音を立てて床に落ちた。
「あ…神楽ちゃん貼ってくれたんだ…」
落ちた熱さまシートをのっそりと取りゴミ箱に投げ捨てる。寝室を出て居間に向かった。
「神楽ちゃん、ごめんね…帰ってたんだね。」
居間の戸を開けるとソファーでふんぞり返ってる天パの人物が居た。
「あれ、神楽ちゃんいつの間に銀髪天パになっちゃったの…」
「ちげーよ!起きて早々そりゃねェだろうが」
「あ〜、頭に響くから大声出さないで…」
「大声出させてんのはどこのどいつだ」
ソファーに座ると、銀時は近くにあったカーディガンをなまえの肩に掛け、台所に向かった。暫くするとストローを挿した状態の歩狩汗と熱さまシートを手渡した。
「あ、ありがと…」
「そんで?具合はどーなんだよ」
「ちょっと寝たら楽になったけど…って感じ」
「そうか」
ポンポンと不器用に頭を撫でられ、ほんのりと笑うと思い出したかのように目を見開く。
「ねぇ、そう言えば神楽ちゃんは?」
「あー、あいつなら息切らして帰ってきたかと思ったら『なまえが死んじゃうネ!!!』って大声で言うもんだから銀さん慌てちまったよ。よくよく話を聞いたら風邪だって知って安心したけどなァ」
心底心配してくれた神楽を思うと少し胸が傷んだ。でも、よく考えてほしい。まだこの年齢で風邪じゃ死なないと思う、余程のことがない限り。
「そう…やっぱり神楽ちゃんに心配かけさせちゃったみたいだね」
「んな事ァねぇよ…って言っても神楽があんなに慌ててるの見るの初めてだな」
「ねぇ、酢昆布持ってた?」
「酢昆布?帰ってきた時はこの財布と鍵だけ大事に抱えてただけだぞ」
買い物には行かず、そのまま万事屋に帰ったんだと呟くと銀時がレシートをチラつかせた。
「神楽から一通り聞いた。依頼したんだってな。」
「うん、ちょっと外出れるような体力なくて…」
レシートを渡されると酢昆布の文字が見当たらない。万事屋に帰った後、神楽はすぐさま銀時に備蓄を頼んだに違いない。次会ったらちゃんとお礼を言わなければ…とレシートを財布に閉まった。
「銀時、ごめんね。わざわざ…」
「いいって事よ。神楽がココに遊び来なかったらなまえちゃんの体調なんてわかんなかったしなァ」
「…ありがとう。銀時、もう帰っていいよ、移しちゃうし…」
「なーに言ってんだ。今日は泊まりだ泊まり。」
そう言うとくしゃくしゃと頭を撫でられた。風邪を引いて心細い時に好きな人が隣にいてくれるのは嬉しいけど、移しかねないし、なんなら銀時だって大きくはないが細々した仕事はある筈だ。
「でも仕事…」
「ンなもんねェよ!と言うより、今日の仕事は看病だ。」
分かったなら寝ろと言わんばかりに腕を優しく捕まれ寝室にグイグイと押された。
「で、でも…」
「でもでもだってはいーから!な?神楽の依頼を俺が承ったって事で。」
渋々となまえが布団に入ると銀時も布団にグイグイ入ってくる
「え、ちょっと何してんの」
「え?」
「あ、いや、え?じゃなくて…」
シングルの布団に二人入るとなると狭く、自然と毛布も足りなくなる。寒くて身震いををするとなまえの首の下に筋肉質の腕が入ってきた。
「こーすりゃ暖けぇだろ。」
腕枕され、更にギュッと抱き寄せられるとふわっと甘い匂いがし口元が緩む
「うん、暖かい…」
「なまえ…いい匂いすんな」
「銀時だって…」
「あ、やべ。」
モゾっと銀時が擦り合わせるとなまえの手を自身の下半身に触らせた。
「どーすんのコレ」
「ちょっと、病人になに発情してんの…」
「上半身と下半身は別の生き物だって前も言ったろ」
ぱっと手を離して銀時に背中を向けるように寝返りを打つ。やっぱり優しい彼氏だなぁなんて思っていたのにこの有様だ。撤回しようと思い短くため息をひとつ。
「あ、ため息。銀さん傷付く」
「銀時が悪いの」
すると後ろから抱き締められ、パジャマの上から胸をつんつんと触ってくる
「ねぇ、小学生みたいな事やめてくれないかな。こっちは頭痛いの」
「俺は下半身が痛いんだけど。」
やわやわと胸を揉みしだかれ、不覚にもビクッと反応すると鼻でフッと笑われた。
「感じてんだ?」
「ちが、そんなんじゃなくて…もう寝かせて」
手を離そうと銀時の手を掴むが払われ虚しく終わった。
「あれ、ノーブラ?」
「苦しいからさっき外しちゃったの」
「ふーん、てっきり誘ってんのかと。」
「そんなわけないでしょ」
次第に胸を揉む力が強くなり耳元に銀時の息がかかる。
「我慢できそうにねェや」
「まって、ほんとにやだっ…」
「ヤダって言ってるくせにパジャマの上から丸わかりだけどな」
「っ…ん、」
パジャマの上から硬くなったそれを摘むと指で転がし軽く叩いたりする。声を我慢しようと布団を噛むが鼻から息が漏れてしまい、その息ですら挑発してるように捉えられる。銀時が下半身をなまえの尻に擦り付けるとゆるゆると腰が動いてしまい、快感でグググッと腰が仰け反る
「なに?興奮しちゃってる?擦りつけてるだけなのに敏感だな」
「っぁ、、やっ…んっ…、」
「言わなきゃ分かんねェよ」
パジャマのボタンを上から3個目だけ開けて手を侵入さる。ひやっとした銀時の指が胸に当たると鳥肌が立ちさらに突起を硬くさせる。
「っ、冷たいっ…」
「じゃあ、温めて?」
「んんっ、ぐっ…」
腕枕してる方の手を折り曲げなまえの口の中に指を入れるとバラバラ動かす。
冷たい指と熱を持った口内で頭の中が更にぼんやりとしてしまうがいやらしい音に耳を奪われふと我に帰る。とめどなく動かされる指におずおずと舌を絡めているともう片方の手は、指と指の間に突起部分を挟み不規則に揉まれる。
「なまえちゃん具合悪いのにエッチなことして…」
「ひあ…ぎんひょきらするひゃら…」
「何言ってんのかわかんねェ」
口から指を抜かれると、急に視界がクルンと変わり銀時が上に覆いかぶさる形になる。今までなまえの口に入れてた指を目の前で舐めとるとニヤッと笑った。
「さァて、これからどうする?」
「風邪移っても、看病しないからっ…!
」
脚の間に膝を入れられグリグリと押し付けられる。首筋を吐息とともに舐めれば耳たぶを吸い上げ、耳の中に熱い舌が侵入してくる。
「んんっ、っぁ…」
ビクッと腰を揺らすとズボンの中に手を入れ筋に沿うように指を動かす。しっとりとしている下着を指で確認し、器用にズボンと下着を脱がす。
脱がされると指を蜜壷に這わせて蜜を絡めとりなまえに見せつけるように蜜をしゃぶりとる。
「こんなにしちゃって…変態もいい所だな」
「やだ、汚いよ…っ」
「汚くなんかねェよ」
中指を1本蜜壷の中に入れれば、じゅぷぷ…と音を立てて銀時の指を飲み込む。もう1本いけそうだなと耳元で囁けば薬指をそっと挿し込む。
「っは、、きつ…んっ…」
「な、キツいな。でもよォ、こんなにやらしいの垂らしてんぜ?」
指を出し入れされるとぐちゅっと音を立てた。親指で蜜壷の上にある突起をグリグリと押しつぶすとキュッと指を締め付けた。
「もう抵抗しなくなったな…なまえちゃんやっぱりこんなスケベな事が好きなんだな」
「…っ…」
ニヤニヤとなまえの上で笑う銀時、もう抵抗しても意味が無いと随分前に察したなまえは銀時の下で快楽に溺れてしまった悔しさで下唇を噛む。
快楽と風邪でのめまいとか混ざって更に乱れそうになる。すると唇の噛み締めを解くように銀時の舌が侵入してくる。ふわっとした髪の毛持つ頭を撫で、に舌を受け入れた。
***
「なまえ〜!遊びに来たアル!」
戸をカラカラと開けるとそこには神楽と新八が居た。
「あら、新八くんまで。どうしたの?」
「すみませんなまえさん、銀さんが風邪ひいちゃったみたいで。」
「!あ、そうなんだ…」
「銀さんに呼んで来いって頼まれちゃって…。僕が看病するって言っても、男にされるのは嫌だって聞かなくて…」
「今日はなまえと遊ぶネ!眼鏡掛け器は帰るヨロシ!あんな天パなんて風邪こじらせてパンチパーマになればいいアル」
「そうね、パンチパーマになればいいと私も思う」
「なまえさんんんん!?」
「さすがなまえネ!早く戦国MASARAやるヨ!」
靴をポイッと脱ぎ捨て家に入る神楽をみて新八が靴を整える。よく出来た子だ。帰ろうと頭を下げた新八の腕を掴み、良かったら一緒にゲームやっていこうと誘うと、少し頬を染めながら嬉しそうに返事をしてくれた。
先日の予定を先延ばしにしてしまったので、神楽の好きな酢昆布を沢山購入して渡せば鬼のようなスピードで酢昆布を食べていた。
「でも、いいんですか?なまえさん。銀さん死にそうでしたよ」
「ん?いいのいいの!自業自得だから」
「自業自得…って…。まぁ、なまえさんが言うなら大丈夫ですよね!」
そう言うとコントローラーをなまえに渡し、スタートボタンを押す。
「なんかこいつの声マヨラーに似てるネ」
「真選組の土方さん…だっけ」
「あー、似てるかもしれないですね」
なんて会話をしながら楽しい休日を過ごした。
***
「うぅ…新八まだかぁ〜…っくしゅ!」
夕刻になっても帰ってくる気配のない神楽と新八。ふとあの時の記憶が頭をよぎる。
『移っても、看病しないからっ…!』
「…」
ゴロンと寝返りを打つと乾いた熱さまシートが虚しくも枕の横に剥がれ落ちた。
「なまえもこんな熱出してたんだな…いや、そーゆー事じゃねぇえぇぇぇぇ!!!!!」
銀時の風邪で掠れた声が寝室に響き渡った。
おわり