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星の降る夜
Prolog
ただ、生きていてくれたら良かった。
多くのことは望まない。
どこに放蕩していても、武者修行でフラフラしていても。
それでも、家族が生きている。
それだけで良かった。
それだけがわたしの願いだった。
「……おやすみなさい、イチロウ兄さん」
囁きのような小さな声はたゆまなく動き続けるマグマの音に掻き消えた。
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