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三日月(真司郎夢)
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「大丈夫やって、な?」
何の根拠もない
真司郎の言葉。
けど何故だろう。
真司郎の言葉だと
大丈夫だって思えるし、
その言葉にすら
幸せを得られる。
日本と海外の
程遠い距離なのに、
こうやって電話で声を聞くと
すぐ隣にいるように感じる。
真司郎も
この空を見てるのかな?って。
あ、でも向こうは
半分ぐらいずれてるから
今はまだ太陽が出てるんだっけ?
とか。
どんなに距離が離れていても
私の頭の中は
ずっと真司郎だけだよ。
この月がどんどん欠けていっても、
真司郎を愛する気持ちは
ずっとずっと欠けないよ。
むしろ、
日に日に増していってる。
無理してないかな?
とか、
体調、
大丈夫かな?
とか。
「愛しとるからな、優津羽」
「…// ふふ//」
嬉しい反面、
照れ臭くて笑っちゃうのが私の癖。
「そこ、
笑う所ちゃうやろ〜? 笑」
って言葉は怒ってるんだけど、
真司郎も笑ってて
電話なのに真司郎の表情が分かる。
何気ない会話なのに、
このひと時が
幸せなんだ。
「あ!次の日曜日、
仕事でそっち帰るから
仕事終わったらデートしような。
俺、頑張って仕事するから
仕事押さんように
祈りながら待っとってな?」
そう言うと
スタッフさんが彼を呼ぶ声と同時に
「あ、休憩終わりみたいや。
スタッフさん近くに居るから
あんまり大きい声で
言えんねんけど…、
優津羽、ほんま愛してるで」と
言われ電話が切れた。
それからしばらく
顔が火照りっぱなしの私。
私も愛してるよ、
真司郎。
この気持ち、
真司郎に届いてますように…。