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ふっと切り詰めていた息を吐く。
途端に湧き上がる、拍手にヴァイオリンをそっと離して頭を下げる。
どく、どく、どくと高揚したままの鼓動に沿わないようにゆっくりとした足取りで幕に引っ込んだ。
「おつかれ様でした」とスタッフに一礼し、次のコンサート会場を目指すべく新幹線の時間も確認する。本来は、専属の車で移動するけど社長が上手く手を回してくれたのか移動はもっぱら交通機関を使用する。
目まぐるしく過ぎる日々に、僕は確かに満足していた。
最近世間で騒がれているミュージックフェスタ。何でも新手のアイドルからプロまでが一気に集結する特大イベント、らしい。りゅうが所属するTRIGGERもそれにより忙しい様で、家に帰って来る日も少なくなっている。
まぁ…、それはお互い様か。
こつん、と窓に頭を預ける。
今何をやっているのかな、ちゃんとご飯食べているかな。今日は返ったらりゅうの好きな料理を作り置きしてあげよう。帰りにゴーヤ買って行かなくちゃね。
__頑張れ、りゅう。……TRIGGER。
まだ駆け出し始めた彼らも。
_頑張れ、IDOLiSH7。