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メールよりも、使いやすくて便利だと壮五君が太鼓判を押してきたチャット_通称ラビチャ。
ぽんぽんとメッセージが浮かんで確かにメールよりも便利かもと使い始めた。
【(名前)さん!来月に放送されるミュージックフェスタ楽しみにしてて下さい!!】
これは、陸君から。
【こんにちは、(名前)さん。来月に放送されるミュージックフェスタに参加が決まりました。
見てくれると嬉しいです】
こっちは壮五君から。
陸君はサプライズしたかったのかな?だとしたら壮五君でバレちゃったね。いや、陸君。それはバレバレだよ。でも、出演が決まって嬉しいんだね、壮五君も。年下2人の可愛いメッセージにほんわかする。
「こら、(名前)」
『あ』
ひょい、とソファーの後ろから伸びてきた手が携帯を奪っていく。
「薬は飲んだ?ちゃんとベッドで寝ないと」
午後からオフだったりゅうは、帰って来て直ぐ僕の顔色を見るなり冷蔵庫から冷えピタを取り出した。頻繁に体調を悪くしてしまう僕は、慣れてしまったのか自分が熱を出していることに気が付かない事もある。高熱となれば流石に気づくが、微熱は僕よりもりゅうの方が見抜くのは早い。
りゅうがオフの時に限って熱が出ちゃうとは。
『薬は飲みました、…大丈夫ですよ。すぐベッドに行くから、返信だけ』
「……少しだけだからね」
何だかんだで優しいりゅうは、携帯を返してくれた。
ついでにと、背もたれに掛けてあったブランケットを広げて寒くないようにと肩に掛けてくれる。
もう一枚、前にもブランケットを掛けて、僕の前後を温かな格好にさせたりゅうは満足そうに隣に腰掛けたのだった。
視線をミュージックフェスタを大体的に放送するテレビに絡ませながら、「誰?」と聞いてくる。
「今話題の可愛い子達」と、答えれば彼は笑った。肩と肩がくっついているものだからりゅうの笑った振動が此方まで伝わってきた。
そのまま腕を回されて反対側の肩を捕まれ、寄せられる。久々の彼の甘えに僕も躰を預けて、ゆっくりと文字を打ち込んでいく。暫く、体力的に限界だったのかそのまま薬の成分からか、うつらうつらとし始めた僕は緩やかな眠りにつくのだった。