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_________
____さ、、
____、、…ん
____(名前)さん、
____(名前)さん!
『_!』
ふっと意識が浮上し、反射して瞼が持ち上げられた。
至近距離に赤色…、_陸君の髪の毛が鮮やかに視界に飛び込んできた。
『り、…く、、……くん……?』
「___(名前)さん!良かったぁ!!」
大きな目にいっぱい涙を溜めた彼の瞳は、腫れぼったく、頬には幾つもの涙の跡が伺えた。
此処がどこなのかと尋ねれば、「××病院です」とゆっくりと言ってくれる。
___ガラッ
「……(名前)さん!、目が覚めたんですね!!今、看護師を呼んできます」
バタバタととんぼ返りしていった彼は、声からして壮五君で間違いない筈。
_?、状況が掴めない。
『ど、うし…て』
「あんたがいきなりぶっ倒れるから、救急車呼んで運んだんですよ。……後少し遅かったら危なかった所でした」
『……』
気を失う前の眼鏡の人が、ひょいと陸君の背後から顔をのぞかせた。
「IDOLiSH7のリーダーの大和さんです」と陸君が紹介してくれる。そっか。大和…、大和さんって言うんだ。
何処かで見たことあるなと思った引っ掛かりは彼が、_彼らがIDOLiSH7の人達だったからなんだ。意外と世間は狭いものかもね、と呼吸器の下で小さく笑ってしまったのだった。
■□■
IDOLiSH7の皆はどうやら社長やマネージャーとバーベキューを楽しんでいたらしい。
そこの土地に偶然にも僕がふらりと立ち寄ってしまった訳だ。
しかも、倒れると言う手間まで休暇を楽しむ彼らに押し付けてしまって。これではただの疫病神だ、ミュージックフェスタの件も知っている故に彼らには思いっきり羽根を伸ばして欲しいのに。
看護師の軽い検診を受け、調子が安定すれば午後には返してくれると判断される。
夜の公演には間に合いそうだと胸を撫で下ろすも、他の問題が待ち構えていた。
それは、病室から離れようとしないこの子達の事だ。
陸君に「今日は折角のオフなんですよね?、僕はもう大丈夫ですから休んで下さい」と帰るように告げれば、嫌だと頑なに否定される。更に困ったことにそこに壮五君も加わったことで、ベッドサイドに紅白のつむじが並んだ。
「(名前)さん、聞いて下さい!昨日一織が_」
「昨日環くんとカレーを作ったんですけど_」
キラキラする瞳に言葉を詰まらせる。
『…ええ、どうしましたか?』
___可愛い子たちの話は聞かなきゃね。