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放課後、僕はカルマくんを追って校舎裏手にある崖の前に来ていた。
カルマくんは崖にせり出すように幹を伸ばす木の根元に座って、イラつきを現すように爪を噛んでいる。
「……カルマ君、焦らないで皆と一緒に殺ってこうよ。殺せんせーに個人マークされちゃったら……どんな手を使っても1人じゃ殺せない………普通の先生とは違うんだから」
「……………やだね俺が殺りたいんだ。変なトコで死なれんのが一番ムカつく」
「…………」
「………さて、カルマ君。今日は沢山先生に手入れをされましたね」
と殺せんせーが空気を読まずやってくる。
「まだまだ殺しに来てもいいですよ?もっとピカピカに磨いてあげます」
そう言って(先生曰く)お手入れ道具をだす。え、何するつもりなの殺せんせー。
「確認したいんだけど殺せんせーって〝先生〟……だよね?」
先生の言葉を受け流して、言葉を吐くカルマくん。その表情はとても、凪いでいた。けれど、先生を見る瞳は何とも言えない狂気を孕んでいた。
一体、何をするつもりなの?カルマくん。
「? はい」
「先生ってさ命をかけて生徒を守ってくれるひと?」
「……もちろん。先生ですから」
「そっか、良かった。なら殺せるよ……───確実に」
先生との受け答えに満足したカルマくんは何度目かの銃口を先生に向け────
背中から崖下へ飛び降りた。