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「ヘイ パス!!」
「へい暗殺!!」
殺せんせーとみんなは校庭でサッカーをやっている。
まぁ、暗殺は避けられてるんだけれど。
グラウンドは校舎より少し低い所に設けられていて、私は草の生い茂った坂に座って眼下に広がる暗殺サッカーを眺めていた。
「いろいろと接近の手段は用意してたけど………まさか色仕掛けが通じるとは思わなかったわ」
頭上から聞こえたのはMs.イェラヴィッチ。
おぉ、ココからだとおっぱい大きくて顔の半分も見えない。
色仕掛けって言ってもいかにも!って感じで芝居もクソもあったもんじゃないクオリティだったけど。
「………ああ俺も予想外だ」
「………で、Ms.イェラヴィッチはなんです?“普通の人”じゃ、ないですよね??」
声をかけると何故そこにいる、と言いたげな2人。
失礼だな、先にいたのは私なんだけど。
「……殺し屋よ。いかなる国のガードの固い暗殺対象でも本人や部下をこの美貌で魅了して容易に近付き至近距離からたやすく殺せるわ」
ハニートラップ的な??の割にはお粗末だった気が。
政府や各国からのテコ入れ……って感じかなぁ。私には関係ないけど。
「流石にただの殺し屋を学校で雇うのはさすがに問題だ。表向きのため教師の仕事もやってもらうぞ」
ココにいるって事はあの人も認めているって事なんだろうけど。この人大丈夫かなぁ……
「……ああ別に良いけど、私はプロよ。授業なんてやる間も無く仕事は終わる」
自信たっぷりに言うけれど、国も軍も倒せない…殺さない奴を1人でどうやるのだろうか。
それと、その教師やる気ない態度。学級崩壊に繋がらないといいけど。
(あと、先生。学校の敷地内での喫煙は厳禁です)
(はぁ?別にいいじゃない)
(……スモハラなのですが、政府に訴えてもよろしいですか?烏間先生)
(…………今すぐタバコをやめろ、イリーナ・イェラヴィッチ)
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