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声が、好き
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「何かかな?」
「なんでもないよ」
手に余るような、物なんて、露知らずに泣いていた。
惚れている人は、この人のような感じなのだろうと、トムは、思ったらしい。
惚れている物は、好きになって、居るのに、何でかこの人は、本当に。
「また、作ってくれる?」
その人は、俺を見てくれているのだろうか。
俺を大切にしているか。
そんなにも、頑張っているのだろうか。
そんな事を考えていると、何かが、無くなったように落ちていった。
好きならば、好きだと、言えば良かった。
好きになって、居るのだろうかと、考えては
「分かった」
この人は、好きなのだろう
人の事を愛しているのだろうと、この人は、考えた。
人は、この人を、大切に、思うのだろうと、この人は、思った。
惚れていては、泣くような、自分では、ないと。
「作ってくる」
「分かった」
この人が、誰かに惚れてもいいと、思った。
好きならばいいと、思った。
そんなのは、いい。