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あねほどに
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「好きなんだ」
と、トム。
「誰が?」
と、問いただしてみた。
暫くして、この人は、恥ずかしそうに、笑ってた。
トキン。
と、鳴った。
好きなのかって、思った。
そんな、自分が、嫌で、したがたなかった。
「好きなんじゃないの?しずちゃんみたいに?」
って、いった。
しまったって、思った。
そしたら、悲しそうに。
「そうか、それは、良かったよ」
って、言われた。
午後の出来事なんて、良く覚えていない。
少なからず、好きになっているのでは?って、思ってた。
そこまで、言うのなら、なんで、こんな物作るのだって思うように、なった。
イザヤは、一旦、よそう。と、理解した。
そこまで、考えるのは、予想を遥かに上に、行くのであろうと、知った。
「田中さんが、考えてよ」
精一杯の愚痴見たいな物だった
好きでもないことをするのは、好かないと、知っている。
そんなの当たり前なんだと知っていた。
「そっか…あは…そっか…」
そういうこの人を切なく見た、イザヤは、何故か無性に抱き締めたくなった。
この人が、消えてなくなってしまうよな気がして。