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学園祭3
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「紙だから一応資源ゴミになるんじゃないんです?ロハス!」
「いや、本人の健康が害されてる時点でロハスってないし。」
慌てて回りの男子生徒に指示を出しながらクランケを保健室へと運び込む湾ちゃんを気の毒に思いつつ、私と香くんは完全に静観を決め込んでいた。二人とも極力面倒事には関わりたくないタイプなのである。
「それよりお前これからどーする感じ?」
と、床に大量に散乱した色紙の一枚を手に取って眺める私に香くんはそう尋ねた。
クラスはこんなだし、漫研の方は昨日の夜ほぼ徹夜でルートさんのキャラ菓子制作の手伝いをしたからそれでお役御免になったし―本当は本田部長から“【コスプレして】マジLOVE1000%【踊ってみた】”への参加を求められたのだが丁重にお断りした、ちなみに漫研2年ズだけではあと3人足りないためアーサー会長とフランシス副会長とアルフレッドくんがゲスト参加するらしい-、引きこもりの気がある私はこういう人がゴミのようにあふれかえったイベント(※同人誌即売会は除く)には参加しても時間を持て余してしまう方なのだ。
「とりあえず定刻になったら即帰る感じっすかね。」
「まだ始まったばっかじゃん的な。まぁ暇とみなしていい感じだな。」
「まぁね。」
模擬店回るにしてもやたら物価が高いしパンピーのバンドのライブでアニソンが歌われないのは分かっているので誰もいない漫研部室で仮眠とった後に隠れて零式(DL版)でもプレイしてようかなって思ってたとこだったもん。一応他ジャンルでお気に入りのものも持ってきているが相当やりこんでいるので今日はFFに専念する予定だった。
「じゃあさ、俺と一緒にいいとこ行かない?」
そんな私に彼の誘いを断る理由は無く。
「…いいけど生徒会の件の二の舞みたいになるのは勘弁だからね。」
私はにやりと何かたくらんだように笑う香くんについていくことにした。