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構ってやるよ
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船長室のソファで本と向かい合って早1時間
ローが本から目を離す様子はまだない
私はベッドに横になりながらその横顔を見つめているのだけど
(流石に暇だなぁ…)
皆はそれぞれ街へ出払っているため、船内は珍しく私とローの2人きりなのだ
航海生活をしていれば中々2人きりになる機会は少ないからてっきり構って貰えると思っていたのに
まさか本に邪魔をされることになるなんて
「ロー」
「…なんだ」
名前を呼んでみても話半分な返事が返ってくるだけで
私はベッドから抜け出してローの隣へと座る
それでも私に目もやらずローは本に夢中だ
ローの膝へと頭を預け横になれば、ローが左手で軽く私の頭を撫でる
「ふふっ」
その行動に嬉しくなって、思わず顔がにやけてしまう
私の頭を撫でる手を掴まえて、ローの手を観察してみる
DEATHと物騒な言葉が彫られているその手は
男らしくも指が長く綺麗な手をしていて…私の手より大きくて少し冷たい
ローの手を自分の頬へもっていきスリスリしてみる
スベスベしてて気持ちいい。なんて思ってしまう私は変態なのだろうか
散々ローの手を好きなように触ってみたり撫でたり…
暫くローの手で遊んで流石にこれ以上読書の邪魔をしちゃ悪いかなと
手の甲にキスを落としてローの膝から頭を上げ、
部屋を出ようと立ち上がろうとすると手首をローに掴まれ隣に引き戻された
「きゃっ!!」
驚いてローを見ればにやりと口角を上げ、目線が本から私へと向けられていた
「何処へ行くつもりだ」
「いや‥散々好きにさせてもらったしそろそろ邪魔しちゃ悪いかなって」
私が少し申し訳なさそうに言えばフッと笑い、ローは本を閉じた
「もう続き読まないの?」
「気が変わった」
そう言った次の瞬間ソファへと押し倒される
「なっ…!」
「悠紀、構ってやるよ」
ローはニヤりと笑ったまま私の服の中へするりと手を滑り込ませる
「や、待って…!」
「今度は俺の好きなようにしていいんだろ?」
「そんなこと言ってな、んっ!!」
次の言葉を唇で塞がれてしまえば、後はもうローにされるがままの私で
「んんっ、ぁ…っふ、んっ、」
さっきまで触れていたローの手から与えられる快楽に翻弄されれば思考が停止する
「その気になったか?」
首筋に唇を落とし色気のある表情で言われてしまえば
もうそのままローの手に落ちていくだけ
「ん、もっとして…」
「仰せのままに」
ローの首へと手を回せば始まりの合図
2人きりの船内に甘い声と甘い時間が流れ始めるのだ
「んあぁ!ろぉっ…ぁ、ひぁっ、ぅ、んん!」
「っ、っは…」
私が音をあげちゃうくらいにいっぱい構って、ロー