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なあなあ、マスター!
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「なあ、マスター!」
『今度はセイバー。どうかしたの?』
「どうかしたの?じゃねぇよ!ライダーに何言った?」
ライダーが離れたと思ったら今度はセイバーが今日は軽装でバタバタと走ってやって来た。ライダーに何言った?……って、ああ。さっきの。ライダーは2歳児だけどセイバーは5歳児である。
『…何を言ったかしら。忘れてしまったわ』
「知らねぇふりしてんじゃねぇよ!マスター!アイツに言ったんだろ!?」
『何を?』
「だーかーらっ!……あーーッ!言ったかどうか言えって!」
セイバーはこれ以上からかったら何をしでかすかわからない。5歳児は怒りやすい。ましてや2歳児がちょっかい出したのだ。嫉妬もしやすいし特にセイバーはイライラしていることが多い。
藤丸くんと話している時だって藤丸くんに股ドン壁ドンしていたし。…なんだか藤丸くんには最近迷惑しかかけていない気がする。
『言ったわよ。好きって。大丈夫、ちゃんとセイバーのことも好きよ』
「なっ!?……べ、べつに言ってもらいたかったわけじゃねぇからな!?」
『素直になれないところ、とてもかわいいと思うわ』
「かわいいって言うな!馬鹿マスター!覚えてろよ!!」
顔が真っ赤に染まっていたわね。…かわいい。捨て台詞も、とてもかわいいと思う。
少しその場に立っているとセイバーが去って行った方からまたずかずかとやって来た。下を向いているので表情が見えない。
そうしたら何故か壁に追いやられていてセイバーが私の耳元に自身の口を近づけた。
「オレも好きだぜ、マスター」
そう言うと目もあわせないで走ってまた去って行った。
5歳児、恐るべし。
なぁなぁ、マスター!
(オレの方がライダーよりもマスターのこと好きだぜ!)
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