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二人だけ【17*クリスマス番外②】
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獣みたいな声出した後、真子は笑い転げてぎゃははははと爆笑しだしたので、1発腹パンかましといた。
「ほんま、加減をしらない女やなぁ」
「今のは真子が悪い」
イテテと腹を擦りながらソファーに腰を下ろして私の隣に座ってくる真子。
「あんなド下手くそな狸寝入りされたら、やるしかないやん」
「ハリウッド女優顔負けの演技力の私に喧嘩うってるの?」
「日本人形顔負けの間違いやろ」
「うるさい!黙れバカ真子!」
本当にこの男は減らず口というかなんというか、もう体力の限界だ。
見る限り食料を買ってきた形跡は無い。
きっとご飯食べ行こうっていいだすのかなー、いやーここまで来たら行くのもめんどくさい。
どーしようかなー。
「腹、減ってんのやろ」
「当たり前じゃん」
真子はおっこらせっと言いながら立ち上がり、伸びをしながらキッチンへ足を向ける。
するとどこから取り出したのかわからないエプロンを着用。シャツの腕のボタンを外し腕を捲っていく。
「しゃーない、俺が作ったるわ」
冷蔵庫から食料を次々と出していく。まるでメニューを前から決めてましたと言わんばかりに手慣れた手つきだ。
「もしかして最初から作るつもりだったでしょ」
「やかましいわ。そこは素直に喜んどけアホ」
でたでた、真子の照れ隠し。
言い当てるとすーぐこれだ。
ずっと見てたい所だが、見てると恥ずかしがってしまう気がするから見ないようにしなきゃ。
真子が眉間に皺を寄せてる。これはあっちに行けということだろう。
台所を離れとくにすることもないので先ほどいたソファーに腰を下ろし、スマホで退屈しのぎ。
遠くから包丁とまな板がぶつかる音が規則正しく聞こえたり、炒める音が聞こえる。いい匂いが胃袋を刺激してくる。
「真子まだー?」
気になって台所にいる真子の後ろに回って後ろから料理の出来映えはいかに!と思い除きこむ
「ちぃーと我慢くらいせぇや」
嫌味ったらしくなんか言われても気にしない。
だってそれくらいお腹減ってるんだもん。
真子が大きな手で私の頭をポンポンしてくる。
「ほら、出来たで」
お皿に乗ったデミグラスハンバーグに色とりどりの野菜が添えてある。
とても美味しそうだ。自然と口からヨダレが垂れてしまいそう。
「食べるぞー!」
私は出来上がった料理を持ってテーブルへ小走りで持っていく。
「たまには、シャンパン飲もうや」
振り向くと真子が某有名な高級シャンパンとグラスを手にしている。
先に席についてる私の目の前にグラスを置き、ゆっくりと注がれるシャンパン。キラキラと星のように光泡を眺めて、あぁ今日は特別な日だとやっと思えた。
「真子」
「ん?」
「今日はありがとう」
「どういたしまして」
お互いグラスを持ち、視線を混じり合わせて、
今日という特別な日に。
「「 メリークリスマス 」」