-
プロローグ
-
*****
今日はとても良い天気だ。
朝のひんやりとした空気を勢いよく吸う。
小学校5年生の冬、そろそろ勉強するべきだろうか。
……登校中の僕は、カーム=アイロニー。
五年生だが、保健委員の委員長をしている。
六年生が頼りないとのことで僕は選ばれたらしい。
ふざけんなと言いたいがまあ仕方ない。
……あ、学校に着いたみたいだ。
僕の学校はこの国では珍しいらしい。
普通は先生が居る教室へ移動するらしいが、この学校では先生が各教室へ移動する。
確か「日本」という国の方式だった筈だ。
教室に荷物を置いて、保健室へ行く。
……保健委員長の朝は早い。そして忙しい。
嗚呼、先生。どうして保健室に居ないんですか。
*****
朝早く、僕は保健室へ行き日誌を取る。
日誌に日付と予定、そして昨日の感想欄に一言を書く。
日直日誌のようなものだ。
それを書き終わったら今度は水石鹸の補充に向かう。
全ての水道をチェックし、無いところには入れていく。
次に、用具の補充だ。
ここでは先生がサボっているので、何故か僕がカタログを見て必要なものを書き込むことになっている。
そして最後に、保健室の掃除だ。
箒で掃いて、雑巾かけて、窓を開けて換気して……。
本当は先生がやることを生徒である僕がしている。
良いことなのかはわからないが、悪いとは思う。
あ、もう予鈴が鳴ってしまう。
本当、僕には時間が足りないよ…………。