-
LU○Hのバスボムはデカい
-
「よ〜し!」
部屋、トイレ、窓拭き、玄関、風呂場、台所全て掃除し終えたなまえは達成感でいっぱいだった。新八はお通ちゃんの握手会で出勤しないと前日言われ、神楽はお妙が以前ガラガラで当てた温泉旅行1泊2日の旅に一緒に行っている。
なまえはここ万事屋の社長、坂田銀時の彼女で万事屋メンバーが居ない為、主に新八の代わりに掃除をしに来た。
「おー、綺麗になったなあ」
「またパチンコ行ってたの!?」
紙袋にごっそり入った景品のお菓子の山を見てはぁと溜息を吐きエプロンを取る。
「うるせェな」
「たまには一緒に居れるんだからもっとこう…なんかないかなぁ」
ぶーぶーと文句を言うなまえにぽりぽりと頭を掻く銀時。すると急になまえの腕を掴み玄関へ行く
「ちょちょちょ、銀時!何急に!」
「うるせェ、デートだ、デート。その辺ぷらっとだけどな」
「へ?」
ポカンとしているなまえは理解するのが遅く、再び頭を掻く銀時。ブーツを履き振り返ると草履を履かないなまえに溜息を吐く。
「嫌なら行かねェぞ」
「あ、ううん!嫌じゃない!」
嬉しそうに草履を履くと、銀時の手をそっと握った。久々だなぁ、なんて隣で言うなまえを見るとぽんぽんと頭を撫でた。
***
暫く街を歩いてると隣からぐぅ、とお腹を鳴らすなまえが恥ずかしそうに笑った。
「朝起きてから今まで何も食べてなかった…」
「飯でも食うか」
「やった〜!」
すると手を引っ張られ着いた場所が定食屋。暖簾を潜り中に入ると筒抜けの厨房から男の声が聞こえた。
「いらっしゃい!おや銀の字じゃあないか、今日は彼女も一緒かい?」
「まァな」
「こんにちは」
頭を下げると、銀時は空いている席を見つけ座った。その向かいに座るなまえ。壁に掛けてあるメニューをみると誰も美味しそうでますますお腹が鳴った。
「銀の字はよォ、仕事の合間に来てくれるんだけどその時にまァ良く惚気を聞かされててなァ」
ニヤニヤしながらなまえに話し掛ける主人にうるせぇと一括する銀時。知らない場所で惚気を言っている銀時を少しだけかわいいと思ってしまい口元が緩む。
「二人とも、決まったかな?」
「私は鯵フライ定食屋お願いします!」
「カツ丼頼まァ」
「あいよ!」
***
「ごちそうさまでした〜!美味しかったです!」
「そりゃ〜丹精込めて揚げた甲斐あったわい」
「また来る」
「おう、毎度あり!」
再び暖簾を潜り外に出るとお互いに手を握りまた街へ足を進める。
「銀時、ごちそうさまでした!」
「パチンコで買ったからな」
先程の定食代をなまえが厠へ行ってる間に支払いを済ませていた銀時。店を出た時に気がつくとお礼を言い照れくさそうにへらっと笑う銀時。
暫く歩いていると以前レンタルビデオ屋だった場所が潰れて女性向けのファンシーショップになっていた。チラリと横目で見るなまえに気が付くとそちらに身体を向ける。
「見てこいよ」
「え!?いいの?」
「おー」
背中をグイグイと押されなまえは中に入ると銀時は外でその光景を見ていた。中に入るなり目をキラキラさせるなまえに可愛いと思ってしまい口元がニヤけた。ニヤケを隠そうと口に手を当て店に背を向ける。
***
「おまたせ!」
「ん、何買ったんだ?」
「へへーん!巷で人気のバスボム!湯船に入れるとしゅわしゅわーってなって炭酸ガスが出て身体を温めてくれるんだって!」
「へー」
嬉しそうに紙袋を見るなまえを横目にニヤリと笑う。
「なんか他行きたい場所あるか?」
「んー、特にはないかなぁ…」
「りょーかい」
すると踵を返し万事屋へ向かう。それに着いて行くように手を握り後を追う。