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手もみんってなんで美男美女が多いの?♦︎
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「うぐあ〜!」
首をぐるんと回すとバキバキと木の枝を踏み潰したような音が響く。
呉服屋で働いているなまえは売るだけが仕事だと思っていたら何故かお直し、更につまみ細工と細かい仕事もやらされている。
賄いあり、お給料は…高層ビルで働いてる女性よりは低いがなんだかんだで満足している。
仕事内容とは裏腹に、肩こりが凄いのだ。どう凄いかと言うと整体に行くと必ず苦笑いされるくらいにゴリゴリで指が入らないと言われる。
そして何より眼精疲労。細かい作業なので目を使う。
「なんだい変な声出して。」
ここの店主の奥さんのお鶴さんが眼鏡を上にあげなまえを見る。
「いやぁ、相も変わらず肩こりが酷くて…あてて…」
針山に針を刺し肩をぐるぐると回す。
するとコリッコリと音がする。肩で茎わかめでも食べているよう…そんな事より回すだけで痛い。
そして肩こりからくる頭痛が…
「若いのに参ったねぇ。角のマッサージ屋さんでも行ってきたらどうだい。」
「若いったってもう四半世紀生きてますよ…。それにあそこのマッサージ屋さんは美男美女が売りで入るのも緊張するし顔面が整ってる人にカラダ触られて変なこと考えたりしたらどうするんですか!!?」
「何言ったんだいこの子は」
呆れたようにため息をつくお鶴さんが立ち上がるとなまえの肩に手ぬぐいを掛けゆっくりと指先で圧をかけていく。
「わーい!いいんですかありがとうございます。」
察したように膝の上に乗せてあった着物を退けてリラックスモードに入るなまえ。
お鶴さんの優しい指圧に首筋から頭にかけてぞわぞわと鳥肌が立つ。
「んぁ〜、きもち〜…」
「普通は年寄りをいたわるもんだけどねぇ」
「何言ってるんですか、お鶴さんは私より遥かに若いですよ」
「そりゃどうも」