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衝撃。
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あの後、サッチが助けてくれてありがとうなといって私の頭をなでる。
しかし、すぐに顔をひきしめて、
でもあんな危ないことはもうしないでくれよと
少し悲しい顔をしたので、今度からはもう少し考えて行動しようとおもった。
そして、すぐにいつものチャラい雰囲気にもどり、夕飯の支度があるからと部屋をでて、マルコとエースだけが医務室に残る。
そして、マルコが持っている本に目がいき、
マルコは本題だよぃといってその本をめくりはじめた。
『....ミズミズの実?』
そういってベッドに腰掛けながら
その本、もとい図鑑に描いてある悪魔の実をじっくりと見る。
「サッチの話から基づいての考察だよい。」
いつもの雰囲気に戻ったマルコが
真剣な面持ちで図鑑に書いてある文字を指でなぞる。
『....私がミズミズの実の能力者...?』
確かにあの無人島でそれらしいモノは口にしたが、
『...私、海に足をつけても力ぬけなかったよ?』
「確認済みかい。だが、お前はティーチに刺されてるはずなのに、傷跡ねぇだろい?」
色々矛盾はしているが、
確かに刺されたはずの場所には傷跡ひとつない。
それにあの時、私に刺さったはずの物は水に濡れていた。
「自然系の能力者に傷をつけるには、覇気をまとわせなきゃなんねぇ。」
『...つまり、、』
「だぁーーー!!見せた方がはえーよ!!」
私の隣で腕組みしながら難しそうに
頭をひねってマルコの話を聞いていたエースが
勢いおく立ち上がる。
そして自分の腰にあった短剣を抜くと
自分のお腹目掛けて振り下ろした。
思わず目を瞑るが何やらゴオ、っと炎が燃える音がして。
目を恐る恐る開くと、
『!!』
エースの腹部を見事に貫いているそれ。
しかしエースは私をみてニヤリと笑う。
「....効かねぇよ。俺は火だからな。」
と言って短剣をおさめる。
なるほど、つまりは私も水だから効かないと。
『でも、海に浸かっても力が抜けないのはなぜ?』
「そりゃ、簡単だろ。お前自身が水だからな。
それに、たまにだけどよ。お前に触れると力抜けることがある!」
なるほど、確かに理屈は合っている。
でも力が抜けるってなに!?
ってなってマルコとエースが片方ずつ手を握ると
なにもなくてエースが念じろって言ったから念じてみたら見事に2人とも床とこんにちわしてた。
どうやらまだ上手く使いこなせないらしい。
いざと言う時に使えるようにならないと。
「能力の制御はこれから練習だな!俺はメラメラの実くったとき意図せず色んなもん燃やしちまって大変だった!」
「能力はこれからきたえるとしても、この能力は厄介だねぃ。」
やっと床からだるそうに起き上がったマルコは
真剣な顔をしている。
「政府や海軍に知られたら、戦争だよぃ。」
たしかに、悪魔の実を食べたことによる代償を受けない私の能力。バレたら政府や海軍から危険人物として見なされるだろう。
とりあえず、マルコはパタンと図鑑とじると私の能力についてと
ティーチの件で集会があるというので
マルコとエースに続いてパパの部屋へ行くことになった。
「グララララ!...ユカコ!具合はどうだ?」
『パパ!!おはよう!大丈夫だよ!』
「そりゃ何よりだ!それより、オメェ能力者だったのかァ!」
『そうみたい!』
「政府や海軍に目ぇつけられねぇように、なるべく能力は使うなよ?」
『...はぃ。』
あらかたマルコが先に報告してたみたいで
私の話はそれで終わり
話はティーチのことに移り、集まった隊長達の顔つきと気迫がガラリと変わる。
「....アイツのこたァ、今回は放っておけ。」
パパの言葉に隊長全員が驚愕する。
白ひげの船に乗ってる以上は
掟は絶対。
ましてや仲間殺しは掟の中でも重要視されている事だ。
今回は未遂だった。
だからきっと、夢でみたようなことには繋がらないはず。
そう期待をして、エースに目線をなげた。
その顔は怒りにみちあふれていた。
おかしい。
サッチは殺されずにすんで、エースが行く必要なんて....
「....納得いかねぇ!!!」
私はエースをよくわかっていなかった。
「アイツは鉄の掟を破りかけてんだ!!!サッチに刃むけてユカコになんて........っ!!
ユカコが能力者じゃなきゃ死んでたんだぞ!!!それに、何年も世話になった親父の顔に泥ぬってよ!!!」
人一倍情にあつくて、仲間思いで。
「....ティーチは2番隊隊員だ。この始末は隊長である俺がつける。」
人一倍、責任感が強い男だ。
『エーーーーースーーーー!!!』
私の横を走ってすり抜けたエースに手を伸ばす。
「エース!戻れよぃ!!!」
あの夢と同じ。
もう少しのところでエースに手が届かなかった。
ストライカーに乗ったエースが小さくなっていく。
このままじゃダメだ。
私はエースを掴むことが出来なかった拳を
グッと強く握る。
一か八か。
後ろを振り返りエースが小さくなっていくのを心配そうに見つめる兄弟たち。
一番心配そうに眺めているパパ。
そのパパと一瞬だけ目が合う。
いってきます______________ニコリ。
口パクでパパにそう告げた。
パパの目が大きく見開かれるのと同時に
私はその顔を焼き付けるように見ながら
後ろ向きで海に飛び込んだ。
「「「「ユカコ!!!!!」」」」
いってきます。みんな、愛してるよ。
....To be continue.