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大胆不敵。
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「島が見えたぞぉ~~~!!!」
ルフィの声で目が覚めた。
マイは相変わらず朝が弱いのでまだ甲板には
出てきていない。
「あたし達は上陸するけど、アンタはどうする?」
『...私は残るよ。』
「でも、エースはいいの?早く会いたいんでしょ?」
...エースがいずれここに来ることをナミは知らない。
未来を知っています、なんて口が避けても言えない。
『....ほら、マイをひとりにはできないし!』
そういうと、ナミは納得して船を降りていった。
しばらくしてマイの部屋にいくと珍しく起きていた。
いつもは昼過ぎまで寝てるのに、こっちにきて規則正しいになったのだろう。
『あれ?ナミたちと行かなかったの?』
『エースどうせここに来るから!』
なるほどね、とマイは珈琲を啜りながら
私をじーっと見つめニヤリとする。
『....本当は今すぐにでも飛び出して、エースに抱きつきたい癖にっ。』
『なっ、なっ//////』
まったくその通りなので、反論できない。
でも、下手に動いてすれ違いになるよりは
ここでじっとしてた方がいいと思ったのだ。
そんなことを考えていると
ドタバタと甲板から音がして、船が動く。
どうやらナミたちが海軍から逃げてきたらしい。
そろそろ甲板いこうか、とマイに促されてそこに向かうと、丁度、ルフィが船に乗り込むところで、サンジが下敷きになっていた。
マイはサンジを起こしてあげている。
「エースには1回もかったことなかったなぁ!」
「え?ルフィが!?」
「今やったら俺がかっちゃうかもなー!だっはっはっ「...だぁれが、俺に勝てるって?」」
『!!』
その声に反応する、私の体。
声を聞くだけで、ドキドキするなんて、
こりゃ、重症だわ。
_____それはもう、好きのレベルじゃないわよ。心から愛してるのよ。
ナミに昨日言われた言葉が頭をよぎる。
「こいつァどうもみなさん。弟がお世話になって!」
「「「いや、まったく。」」」
「コイツには、何かと手を焼くだろうが、宜しく頼むよ。」
「「「いや、まったく。」」」
「うそよ。こんな礼儀正しい人がルフィのおにぃさんなんて。(これがユカコの想い人。)」
「弟思いのイイヤツだっ!!」
「兄弟って素晴らしぃ。」
みんな口々に言い合う中ビビがそれをなだめる。
「ちょっ、ちょっと、みんなぁ;」
「いやぁ、いいんだ。」
そういって、エースはサンジのタバコに火をつけた。
その後ろでマイは本物のエースだ...と目をキラキラさせている。
まあ、そうなるよね。
私もそうだったし。
それにしても、出ていくタイミングを逃した。
「ユカコ!!エースよ!!」
ナミさんんんんん!?
心の準備があああぁっ!!!
「ん?ユカコ?うちの船にもまったく同じ名前のやつがいたな!」
『....』
エースがバカでよかった。
私はエースの前にズカズカと歩いていくと
バッと顔をあげる。
エースはポカンと口を開けて驚いているが。
そのエースに私は思いっきり抱きついた。
「なっ///ユカコっ/////!!」
私達のすぐ後ろで見ていたマイとサンジが
ヒューと口笛を鳴らす。
「お、お前!!なんでこんな所に!!どうやってきた!?親父たちは!?」
マルコは何も言わなかったのか?とか
なんでこの船に乗ってんだ?とか
質問攻めにあう。
そうやって、ちょっと怒ったような顔をしているエースに私も段々イライラしてきた。
私だってエースのこと凄く心配してたのに。
「お前、モビーに帰れ!!」
______その言葉で、私の堪忍袋の緒が切れるおとがした。
後ろで見ていた全員が一気にどよめき、
ナミとビビは悲鳴に近い歓声を上げる。
マイは多分あのニヤリとした笑みで
見ているに違いない。
「....ッ__///////////!?!?」
『....んっ....』チュッ
そう、私はキレてどうでもよくなり、このうるさい
口を自らの唇で塞いだのだった。
『.....ユカコ、やるねぇー。』
ボソリとマイがうしろで呟いた。
.....あとでからかわれるな、これ。
.....To be continue.