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宣戦布告。
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ザパーーーーンと勢いよく海面へと浮上したモビーに海軍と七武海が驚いているのが見えた。
その奥に、エースが見えた。
今すぐにでも、あそこに走って行って
いつものようにエースの胸に飛び込みたい。
『エーーーースーーーー!!!』
「ばっかやろぃ!!」
マルコに口を抑えられがもう遅い。
海軍がざわついている。
「白ひげのところに女が乗ってるぞ!!」
「誰だあれ?一般人か!?」
「エースって、呼んでたってことは白ひげの一味か?」
「賞金首リストにはあんなのいなかったぞ?」
このぶんだと、エースにも丸見えだったろうなー。
ふと、私の顔に影ができる。
そして、海軍たちのざわめきを鎮める、低音の心地いい声が聞こえた。
「俺の息子は、無事だろうなァ?」
パパだ。
「....っ!!....親父ィ!!!!」
久々に聞くエースの声。
「エース。助けに来たぞ。」
「親父ィ!!!なんで、なんで見捨ててくれなかったんだ!!!俺は、自分の身勝手で、こうなってるのに!!」
「いいやァ、俺ァ追えと言ったはずだ。だろう?」
「言ったよぃ。」
「言ったな。」
なに、その連携プレー。
ニヤリとそれを聞いてパパの隣で笑う。
「....それに、なんで、お前まで来た!!!」
エースの矛先は今度は私に向けられているようで、
まだ賞金首にすらなっていない私に気を使ってか、名前は言わないでくれたみたい、たけど。
「お前は、弱い!!!今すぐ帰れ!!!死んでも、知らねぇぞっ!!」
その言葉にムッとする。
また、帰れって言ったな?
後で、覚えとけよぉ....。
『いやだっ!!!!!』
「帰れっ!!!!俺の、俺のせいで、死んじまったら、俺は....!!!!!」
また、そんなこと、考えてたんだ。
私は片手をピーンと伸ばし、持ってきていた
電伝虫(スピーカーver)を口元に持ってきた。
『宣戦布告!!』
そう言うと、海軍が戦闘の構えをし出す。
まあ、その宣戦布告じゃないんだけども。
『私は、今日はエースのいうことは何も聞き入れません。前回、置いてけぼりくらったからね?』
エースはポカンとして聞いている。
よしよし。
『エースは私のものです。誰にもあげません。エースの命を海軍なんかにあげるなんて、以ての外です!』
「な、なにをいう気だ、ユカコ!」
ニヤリとエースを見据える。
『私の名は、ポートガス・D・ユカコ!!!
エースの嫁(自称)だっ!!!文句あるやつはかかってきなさい!!!』
白ひげの仲間たちはそれをきいて
歓声を、あげる。
マルコは呆れ顔だけど....。
「グラララララ。そういう事だ、エース。この馬鹿娘はダメだと言っても、聞きゃァしねぇぞ。」
「.....ユカコ....、俺を、俺をまだ好きでいてくれるか!?」
エースの悲痛の叫びが私の体の芯に突き刺さる。
そんなの、
そんなの、
『当たり前だぁぁぁぁぁ!!!!!』
両腕を天に突き上げてそう返事をする私。
どっかの麦わら帽子の少年のように。
それを口切りに、マリンフォードで今、戦争が始まった。
....To be continue.