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最下層の女獄卒。
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インペルダウンの最下層。Lv.6
朝の日の光も届かないそこで今日も一日が始まる。
『...ハァ、悪魔の実を、食べる前は好きだったのになぁ.....シャワー....。』
そうボヤきながら自室でシャワーを浴びる。
悪魔の実を食べる前は好きだった長風呂も、ここ何年かは避けている。
あらかた綺麗になったのでスグに出るといつものピッチりとした仕事着に身を包み、仕事道具を肩に掛けてドアを蹴り開けた。
ドアを開けた瞬間から聞こえる悲鳴。
それにニヤリと笑う。
『今日も囚人はいい声で鳴いているわね。』
カツンカツンと一定のリズムを奏でるヒール。
その人物に歩いていた人々が足を止め道を開けると深く頭を下げて挨拶をする。
漆黒の拷問服を身に纏い、その服の色と同じ色の高いピンヒールを鳴らしながら檻の前を歩いていく。
その肩には長い編み込み型の鞭が下げられている。
そして、歩く度に揺れる黒い翼、黒い尻尾。
黒髪の中に見え隠れする赤い二本の角。
その姿は誰が見ても圧巻である。
「サドマゾさま!!!!!おはようございます!!!!!」
その声を聞いて真っ赤な紅をひいた唇の口角をあげる。
『おはよう。サディ。』
サディの前で歩みを止めて髪を撫でてやると
赤く頬染めながらもニコリとする。
『さァ。今日もビシバシ、しごくわよ?』
そう言って女はさっきまで自分の肩に掛けてあった鞭を手に持つと、目の前の鉄の扉を足で蹴り開けた。
『今日の相手は貴方かしら?』
ビシリと床に鞭をうちつけ囚人の顎に手をかける。
囚人と目を合わせると既に怯えているようだ。
「お、おま、え....まさか、」
どうやら私のことを既に知っているらしい。
「妖艶のサディスト。サドマゾ。」
『うふふっ....ご名答。』
サドマゾは赤く塗られた唇をニコリと歪ませる。
『....地獄へようこそ。』
部屋に悲鳴が木霊した。
....to be continue.