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彼女の不安
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「はぁ〜…。」
いけない。思いっきりため息をついてしまった。目の前にコナーがいるのに。
「どうしたの?マリー?」
「ううん…。何でもない…。」
そう言って私はトボトボと歩き始める。今更だが、凍結物件が溜まってきたということで、二人でで配達出ているところだ。ザジとラグは別配達のため別行動だ。
…ザジがいない今、ザジのことを聞くのに丁度いいかもしれない。
「…ねぇ、正直に言って欲しいんだけど、私とザジって付き合ってるように見える?」
「…え?」
「…あれ?」
コナーはきょとんとした顔をしている。てっきり知ってるものかと思っていたんだけど。
「ザジから聞いてない?」
「初耳だよ!ザジらあんまりそういうこと言いふらすタイプじゃないし…。」
「でもさ、普通さ、なんかあるじゃん。あの二人付き合ってんじゃね。的な噂とかさ、見てればわかることってあるじゃん。いつも一緒にいるコナーから見てもそう見えてないなんて…。」
「まぁまぁ、僕のおやつあげるから元気出してよ。」
「…太るからいいや…。」
「僕の親切を無下にしないでよ〜。」
私とザジが付き合ってから結構経つのだけど。…もしかして恋人だって思ってるの私だけ?!私めっちゃ痛いやつやん。
「マリー〜?ありゃ聞いてないな。もう先に配達行くよ。」
「うぅ…行くよ行きますよ。これと仕事は関係ないもん。」
とりあえず私とコナーは手分けして配達しまくるものの、中々減らない。結構配達できたはずだが、元々の数が多いのだ。
「あーもう全然おわんない…。だれか…。」
「愚痴ばっか言ってねぇでとっとと配ったらどうだ?」
私の独り言が誰かに聞かれていた…。この聞き覚えのある声の主は…