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花に華を<水無月の光>you
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れいちゃん、
唐揚げじゃないけど…鮭でも嬉しそう。
いくら関空で打ち合わせだったからって
急に会いに来ちゃってよかったかなぁ?と
不安だったけど。
そんなの吹っ飛ばしてくれる笑顔で
すごく元気にお稽古から帰って来た。
全然たいしたものじゃないけど
晩ご飯を準備してよかった。
ご飯は3合炊いたから、
うん。(たぶん)大丈夫。
「おいしいっ」
「よ、よく噛んで……」
れいちゃんのお部屋は清潔で、
散らかってもいないし
片付いてもいない、
いま何を読んでいて
いま何を気に入って着ているか、わかる
そんな感じ。
そっか、
これがれいちゃんの独り暮らしかぁ。
「沙良、仕事忙しい?」
うーん。
たぶんれいちゃんほどじゃないです。
あ、でも時々は深夜になって
タクシーで帰るときがある……なんて
……怒られそう。
だまっとこ。
「いつも電話とかLINEしてるけど」
「うん」
「やっぱり沙良とこうやって
会えるのがいちばん楽しい♪」
さっきまでがつがつ食べてたのに
急にそんな顔で見つめないで…ください。
「あいたかった」
「わたしも」
れいちゃんが、くしゃっ、と笑う。
ほんと、きれいな笑顔だなぁ。
あとね、お茶碗持ってもやっぱり手がきれい。
「沙良?どしたの?急にかたまって」
「…え…と。れいちゃんに見とれてました」
「…………、。。っ……!(真っ赤)」
なんてことをサラッと……」
「れいちゃんのほうが
いっつも言ってると思う……」
「言ってないし!」
ふぅん、自覚してないのか。
それもなんだか……。
困ったれいちゃんだなぁ。
「そうだ沙良!
ここ、お、お風呂……せまいから」
「うん」
「一緒にはいれないね……」
あっ。あからさまに意気消沈してる。
そんな残念そうにしなくても。
とりあえず
サクサクお片付けして
サクサク眠らないと
ふたりとも明日お仕事だしね。
あと、
ちょっと喘息が復活した。
なんだか6月に雨が降り始めてから
明け方に発作がある。
大人になって完治したと思ってたのにな……。
でも病院も行ったし
昔ほどひどくないし
薬もあるし、ぜんぜん大丈夫だとは思うけど。
いちおう、言ったほうがいいかなぁ、
でも大したことないのに
わざわざ心配させるのも。
「そーだ!れいちゃん、
博多ね、ほんと素敵だった」
「ほんと素敵だった。
沙良と川沿いを散歩とか……、
1時間しかなかったけど!ほんとたのし
「れいちゃーん、舞台のこと言ったのに」
「沙良?!デートは素敵じゃなかったっ?」
「そんなこと言ってない…」
「だよね?公園の暗がりでキスし
「も、もも食べましょう!デザートっ桃を!」
れいちゃんは楽しそうに、
次は桃1ダース買っておくからね、
なんて言ってる。
やっぱり
ちょっとタイトなスケジュールだけど
れいちゃんのところに寄ってよかったな。
桃、おいしいし!
「ねー、沙良ー、
桃とわたし、どっちがすき?」
れいちゃんは、楽しそうだし!
So far so good.