-
花に華を<明けの光3>rei
-
沙良の家のバスルームは
天井に近いところはガラスで
明るい時間なら外の光が入る。
さっき呼んだ沙良を待ちながら
やっぱりここの
バスタブ大きいな、広いなー。
なんて呑気に思って
…でも、沙良は
ずっとひとりでここに居たんだ、と
思ったら
ぎゅっ、と胸が締め付けられた。
それに比べて自分は。
ずっと賑やかな家庭で育って
ずっと大所帯の生活で
とにかく賑やかだった。
こんな広い家にひとりとか
…経験したことがない…。
寂しいとか1度も言わない沙良、
寂しくなかった筈はないのに。
「れいちゃんー」
「まってたー♪」
「……すぐ来たよ?」
「会えない時間は長い」
「…」
なにも着ない沙良の身体。
細いのにまぁるくふくらんだ胸。
華奢な手足、儚い感じの肩の線。
小さな足に桜貝みたいな爪。
きれい……別の生き物みたいだ。
「れいちゃん?」
「おいで沙良」
後ろから抱きかかえて
お湯につかる。
すべすべだなぁ
あったかいなぁ
やわらかいなぁ
……気持ちいい……。
耳の後ろにキスしてみる。
「ひゃ……っ!」
「びっくりした?」
「す、するよ……」
そのまま、耳にキスしてみる。
……続けていると、
だんだん吐息が漏れてくる。ふたりとも。
「……きもちいい?……」
「んっ……」
この体勢、触りやすい。
抱いている左手で胸を触る。
これはもう……マシュマロ……。
ぴくん、と沙良の、身体が反応する。
「あ、ここ……かたく、なった……」
「ぁ、んっ」
我慢している声がかわいくて
ぞくぞくする。
耳にキスを続けながら
左手で胸の先端を摘まむ。
右手を割れ目に伸ばす。
「っ……」
「……やぁ、れい、ちゃん……」
ぬるり、という感覚があって
もうたっぷり濡れているのがわかる。
指でやさしく擦ると
……どんどん、溢れてくる。
沙良が、ふるえる。
胸にあった左手を移動させ
声が漏れる口許に触れる。
柔らかい舌に触れる。
「っ、…ふ」
中指と人差し指を浅く口に入れると
沙良の舌に舐められる。
…………舐めて、る……。
すごく……いやらしい、これ。
「あ、っ……ぅ」
ちゃぷん、
もう何処からか判らない
濡れた水の音が
バスルームに響く。
自分の呼吸も荒くなる。
優しく触っていた筈の手に力が入ってしまう。
「沙良…すき、…だいすきっ……」
耳元で囁くと、
沙良は小さく声をあげて震え
くたり、と身体ぜんぶの力が抜けた。
溺れないように
後ろから抱く手の力を入れる。
よかった、ぬるい温度にしておいて。
のぼせちゃう。
そのまま暫くふわふわ浸かっていると
お姫様が目を開ける。
「……れいちゃん……」
「ん?」
「もう、わたしもできる」
「え?」
「れいちゃんがしてくれる色々、
わたしもできると思うの。してもいいかな」
なんか……
つるつるほっぺの天使の
桜色の唇から
衝撃的な申し出が……きた。
「えっ、えっと……あ、あのね
沙良。わたしあした初日でねっ、
お休みの前がいいかな、とか。ほら、
寝坊できないから!ゼッタイ」
「うん……」
あ、しょんぼりした。
いや、気持ちは嬉しいし
恥ずかしいけど……
前、してもらったことあるし。
すっごく気持ちよかったから、
正直よく思い出す……けど
こ、恋人同士だし?
こんな動揺しなくてもいいんだけど
でもなんていうか。
なんだろう?このドギマギ、落ちつかなさ。
「……し、してほしい……けど」
ぴょこん!と沙良が顔をあげて
にこにこの笑顔になる。
可愛すぎて何でも叶えたくなる……。
「じゃあ、お休みの前の日に、するねっ」
「ん。約束」
……カッコつけて言ってはみたものの……
いつもと、違うドキドキに襲われる。
でも撤回できない。
「れいちゃん、ゆーびきりげーんまん♪」
……指切りまでしちゃった……。