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花に華を《デイジー》+rei
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同期ゴハンに顔を出した。
っていっても4人だけ。
気心知れてるなかでも特に親しいメンバーで。
みんなもう、沙良のこと知ってる。
「ねぇ、どっちかっていうと
れいって末っ子っぽいじゃん?」
「え、まぁ、時々言われるけど………」
「でもあれでしょ?
妹、改め…恋人の前ではお兄さま…、
じゃなくてお兄ちゃんキャラなの?」
「え。おにぃ………?………?」
どうなんだろう???
「自分が兄だと思ったことはなくて、
むしろ………沙良の方が、
大人の考え方を持ってるし………」
(いや、そこは「姉でしょ?」じゃないんだ……)
(だれか突っ込めや!)
「…わたしとちがって……がまん強くて
英語も話すしなんならフランス語も。
料理も上手だし、唐揚げ特に上手いし。
聡明なんだよね。優しいし。
それに最近、ふと聞いたら高収入だった…。
大学院卒でしょ、美人だし。
…なんか、あっというまに大人になっちゃって
自分、釣り合ってるかな?とか………思うと、
余裕がなくなるんだよね」
(なんでそんな完璧な子がれいちゃんと………?)
(←失礼やなぁ!)
(みなみもそう思ったくせにっ)
(うん、まぁ、ちょっとは、な)
「へ、へぇ。たいへんやな」
「モテそうだねっ!沙良ちゃん」
「うん、モテるんだよね………。
小さくて
細くて
白くて
柔らかくて
ふわっふわで
軽くて
あったかくて
いいにおいがして
キモチいいんだ………」
(!!!!!!!!!)
「あほなの?」
「中学生なの?」
「れい、酔ってる?」
「はやく帰りなよ!」
「ごちそうさま!」
………ひどい言われようだな。
でも、いそいそと帰ることにする。
だってそろそろ、
沙良はお家に帰る頃だからね。
………………………………
ぴんぽーん♪
「あれっ?」
「れいだよー」
「おかえりなさぁい」
「ただいま、沙良」
「あれれ、はやいねぇ。
同期会じゃなかったの??」
「ん。で、もね、」
「??」
「沙良に会いたくて帰ってきた!」
(ど、どうしよう。
仕事持ち帰って机の上が資料だらけ………!)
「れいちゃん、まずお風呂、かな?」
「えー、そのまえに沙良だよっ」
(………酔ってる………?)
「れいちゃーん、酔って……」
………ぐるり、
後ろから抱き締める。
ん。酔ってるよ。
でも目は覚めてるよ。
「沙良、仕事は程々にね?
シャワー浴びてくるから
机片付けてベッドで待っててね♪」
(仕事してたのバレてる………
れいちゃん、すごい。超能力………)
さ。今夜は
ちなつさんのこと、
忘れさせるからね。