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花に華を《 verte 》you
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…キッチンの脇にある
長椅子で目がさめた。
床に横になってるれいちゃんが
手を伸ばして、わたしの手を握ってる。
なんて無理な体勢……。
しかも床に。
テーブルの上に
色水が入ったガラスの器が並んでる。
そうだ、……かき氷。
溶けちゃった。
そしてれいちゃんと、
…………目が合う。
「起きた?」
「れいちゃんっ、
床に横になるなんて、ダメ」
「ん……っ」
よいしょっ、と起き上がるれいちゃん。
顔を覗きこまれる。
「お帰り、沙良。待ってた」
「た、だいま……」
「あっというまにイッちゃったから」
「////……!」
だってれいちゃん、
あんな……。
「よかった?」
「…ぅ…ん」
途中から覚えていないの、
とは言いにくい。
泳いだ後みたいに身体が重い。
「つかれちゃったね?」
れいちゃんはクスクス笑いながら
おでこにキスしながら髪を撫でてくれる。
…安心する。
れいちゃんが幸せな顔をすると
わたしは安心する。
ずっと見ていたい。
「もいっかい、したいな」
「え」
「沙良不足だったから
まだまだ足りない」
「……」
「いや?」
「わたしのばん……」
「えっ///」
びっくりしている
れいちゃんの、胸に触れる。
そしてそこにシャツの上からキスをする。
「んっ」
わたしの頭を抱く指が
もどかしそうに動く
力を入れすぎないようにしてくれてる。
……好き、と
幾度も思う。
優しい両腕に、
抱かれながら
抱いてる。
れいちゃんのそこに手を触れると
もう、ぐっしょりで。
「れいちゃん、これ……?」
熱いため息がわたしの耳にかかる。
「は……ぁっ、沙良っ、……ぁ」
「たくさん、ぬれてる」
「ん……はずかし、……っ」
「じぶんでしたの?」
こくり、と微かに頷いて
「う、んっ……ぁ、っ」
恥ずかしそうに
肯定するれいちゃんが
どれほど
心を許してくれているのかとおもうと
胸がぎゅっとなる。
「だ、からっ、……もぅっ、、いっ、
……ちゃ」
「うん」
水の音をたてて、
すごく濡れて溢れてる
入り口のところを
浅くそっとかき混ぜる。
それをしながら、
もう片方の手の指先で
小さく、かたくなっている膨らみを
そっと、でも止めずに、
くるくる触ってみる。
くちゅん、くちゅ、と音が響く。
「それ、だめ、っ、あっ、……ぁぁぁ」
あっというまに、
気持ちよくなるれいちゃんの
震えが伝わる。いつもより声が…大きい。
「沙良ぁ……きもち、いっ、いい」
「れいちゃん、すき」
「…っ…、ぁっ」
ぎゅぅっと、抱き締められる。
息ができないくらい。
うとうとして、
目が覚めたれいちゃんの
言い訳タイムは可愛い。
「……だってね、あの……」
「うん」
「さっき、すごい可愛くてえっちな顔で
眠ってる沙良が、すぐ横にいたもので」
「……///それはれいちゃんが
そんな顔にしたからです……」
「(きゅん……)
……それで起こしちゃダメだし……
眠ってる人を襲うのもダメだし、しかたなく」
「うん」
「沙良を見ながら、つい、自分で///」
「////…うん」
「つまり、愛してる」
「ぅん」
「お風呂、はいろ?」
「うん!」
ただただ、会えなかった時間を
埋めたいこんな夜は
気の効く会話のオチもなく。
でもわたしたちは
これでいい、とおもう。
手を引かれながら
美しい背中の筋肉を見ながら
裸のまま、
いっしょにバスルームへ向かう。