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ふれて
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胸の尖端に口付ける。
やさしく、やさしく、そっと。
激しくは触れない。
なぜならお姫様は怪我をしている。
朔の口から溜め息が漏れ始める。
あぁ。
堪えようとして漏れるこんな声も
ほんとに素敵だけど。
「朔、声出してもいいよ、誰も来ない。
閉店中のお花やさんだからね」
「サユ、ミ…、…」
朔の力が抜けてきて
彼女が崩れそうになる前に抱える。
お客様が待つための小さなソファーに降ろして
もう一度くちびるから始める。
「……ぁ……」
耳にもキスをして
首筋にもキスをして
また胸にたどり着いたら、口に含む。
……おいしい甘い飴みたい。
舐めて、転がして。
朔はわたしの髪に手を添えて
やさしく、撫でてくれるけど
右手首が心配。
動かさないほうがいいよ、と言う。
「手、気を付けてね、朔……」
花の香りがする。
朔の溜め息がだんだん、
押さえられない喘ぐ声に変わる。
ドキドキする。
「朔……きもち、いい?」
「……」
微かに頷く
もっとしてあげる。
わたしはソファ横の床に座り
前に横たわる朔は完全に無防備で
そのまま
するり、とロングのスカートも
チャコールグレイのタイツも
その下の品のいいシルクのショーツも
ぜんぶ順に脱がせてしまう。
すごく綺麗な人だ。
背中や腕が痛々しいけれど
今仰向けになっているので
それは大部分、隠されている。
キスをする。
しながら、手をしたに滑らせていくと
もう十分に濡れていて
蜜の音がした。
「朔、感じてくれてうれしい」
「す、ごく」
「ほんと?」
キスしながら右手で
密が溢れる少し上を探る。
くるくる指先で撫でてあげると
反応する朔の身体。
「は、朔っ、いい?これは?」
「あ。、ぁ……も、」
ダメ我慢できない。
下にも、キス。
唇をつけて、舌で触れる。
それをしながら、
蜜が溢れてるところに、人差し指をあてて……
少しだけ中に入れる。
軽く浅く、抜き差ししながら
固くなった小さな膨らみを舐め続けると
もうダメ、と朔がいう。
「いいよ、いつでも。
綺麗。朔、…だいすき」
耳元に唇をつけて囁く。
その間も右手の指は
朔の濡れているところを
触り続けている。
「サユミ、っ……す、き……」
朔の身体が跳ねて、わたしの首にしがみつく。
可愛いひと。
「わたしも、すき」
花の香りが濃くなる。