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ナポレオンで1時間使って駄文書いてみた。「星が降るからあの丘へ」
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お名前変換可能なので試行錯誤してもらうか、お近くのはちを捕まえてくださいw
かかった時間
60分でまとめたのに結局納得いかずに+50分W
注意
○この二次創作は書き手の妄想と勘違いの産物です。
○本編読んだけど断片的にしか記憶ねぇもの。
○だからもう適当に書いてる
○ナポレオンは偽物
○主人公ちゃんも偽物
これ見ても大丈夫?
それならばお暇つぶしにどーぞ!><
私のタイプの男性?そりゃやっぱり見た目よりも中身!やっぱり私に世界で一番優しくしてくれる人!もうこれが一番大事!
絶対に私の事阿呆とか言わないし、私を尊重してくれて、絶対絶対に黙って置いて行ったりしないの。まして生死がかかってるのに勝手に行っちゃうとかありえない。
それ以外だって黙ってついてこいとか傲慢な事言わないで。ちゃんとこっちだよって優しく言ってくれないとダメ。ちゃんとエスコートしてくれないと。
「……で、これから新婚旅行に行こうってのになんで説教受けてんだ?」
「だって! ありえないでしょ! どうしてさっさと行こうとするの!?」
「さっさと歩かねぇと夜が明けちまうだろーが」
「夜が明けちまうのも大変かもしれないけど、私、今、足が痛いの! もうちょっとゆっくり並んで歩いて!」
実際、足はそこまで痛くはなかった。当然だ、まだ屋敷を出て数分程度だ。痛くなる余地はない。
もう兎に角我儘を言ってやりたい一心で癇癪起こしてやればナポレオンは仕方ねぇな、と首を少しだけ傾けて嘆息する。
「わかったわかった」
ナポレオンは軽々と、持ち運び便利だと言わんばかりにあいを抱え込みさっさと歩き出す。しかし担ぎ上げたあいの機嫌は悪化する一方で。
そもそもあいが機嫌悪いのにも理由がある。そう、実はあいとナポレオンは、今、
「そもそも行き先も決まってないハネムーンとかわけわかんないー!」
そう。あいとナポレオンは今から新婚旅行に行く。それなのに、あいはどこに行くか知らされていない。
夜中、気持ち良く寝ていたのに起こされたあいは突然「行くぞ、」と連れて来られているのだから機嫌は当然よろしくはない。だが今日じゃないとダメだとナポレオンがあいを引っ張ってここまで来たのだ。
ここは屋敷から少し離れた森深い道。軍人であるナポレオンが居ない時ならとてもじゃないけど歩く気にもならない。それにせめてどこへ行くかくらいそろそろ教えてくれたっていい、そう思うのに。
「わかったわかった」
「ちゃんと聞いて! ちゃんと聞いてよー!!」
まるで話を聞いてくれないナポレオンの肩でおいおいと嘆き悲しむあい。これから蜜月とも訳せるハネムーンへ赴く、幸せいっぱいのお嫁さんとは思い難い声を上げている。
そんなあいの様子など気にせずどんどん前へと突き進むナポレオン。いつもならばあいが不満を訴えれば気にするナポレオンだが、今日は黙々と突き進んでいく。
あいは空を見上げる余裕が無くて気づかないようだが、今日の星はなんだか近い。まるで落ちてきそうな程に。急がないと、落ちて来る前にあの丘へ。
ナポレオンの肩でぎゃんぎゃん騒ぐあい。まだ明ける気配のない闇夜。それなのに辺りが明るいのは月と星が明るく照らすから。
まだ何か訴えているあいを抱えてナポレオンは何かに急き立てられるように前へ、前へと進む。まだ深い夜の闇の中、ふたりしか居ないのに賑やかなハネムーンは始まったばかりだ。
時は数時間前に遡る。
真夜中、アイザックと共に夜食を食べていたら機嫌良さそうに彼が星について語り出したのが全ての始まりだった。
「ナポレオンさん、今日は流れ星が綺麗に見れると思う」
「……へぇ、そんなの解るのか?」
大量のから揚げをパンで豪快にサンドして渡してやったものを見事に完食しようとしているアイザックにはもう驚かないが、星の件には驚きを隠せずナポレオンの瞳が少し見開く。
そんな珍しいナポレオンの反応にアイザックは更に饒舌になり、詳しい情報をツラツラと語り出す。しかしナポレオンには天動説も地動説も、小難しい事はわからない。
ただ知りたいのは星が流れるという情報と、いつ頃なのかという情報だ。
「で、それっていつ頃起こるんだよ」
「まぁ……1、2時頃かな。レオナルドさんとさっき天球儀と空を見比べてたら、星の動きが少し早かったから。多分だけど」
「…………ふぅん、なるほどな」
そうか、今日は流れ星が綺麗なのか。そういえばあいは星を見るのが好きだった。見せてやりたいがしかし、今日が特別。今日じゃないと見られないかもしれない……だが、あいはもう既に夢の中に居る。
叩き起こすしかないか、と。新婚旅行がしたいと言っていたから丁度いいだろう。あいに星を見せてやりたい……が、ぬか喜びになってしまってはいけないから目的は伝えずに。
今現在24時になったばかり。まだまだ間に合う時間だ。ナポレオンはアイザックに礼だけ言ってその場を離れていく。行き先は自室ではなく、あいの部屋だ。我が物顔でファンシーなあいの部屋に潜り込み、普段自分がされているように彼女の布団を勢い良く捲る。
「おい、起きろ」
「……へぇ? なんで?」
なんで?と言ったあいのどこに罪があろうか?今日も朝早くからセバスチャンとふたりで必死に屋敷内をキーピングしていたあいは眠くて眠くて仕方がないのに。
「新婚旅行、行くぞ」
「…………は?」
「行きたいんだろ? 準備しろ」
そして冒頭に至るのである。あいの機嫌だって悪くなるのは仕方ないだろう。
しかし。フランスの街並みが一望できる小高い場所に着いた途端、ふたりを待っていたとばかりに夜空から星が瞬き出したのだ。ナポレオンの肩の上であいは目と口を大きく開く。
手を伸ばせば届きそうなほどの星々。ましてナポレオンの肩の上だからいつもよりも更に星に近い場所に居る。深い黒の空にキラキラと光る星なんて現代じゃ先ずお目にかかれない。
「ナポレオン! 流れ星、いっぱい!!」
「ああ、間に合ったな」
ナポレオンは満足そうに微笑み、あいを地に降ろしてやる。すると先ほど足が痛いと言っていたあいがその場を駆け出しクルクルと回って全身で喜びを表現する。
「流星群!!」
「……流星群?」
「うん! 流星群!」
興奮しているあいはとても知能指数の低い話し方をしているが、まぁ、それ程喜んでいるならばもうどうでも良い。
あいが喜んでさえいればナポレオンにとってそれが一番なのだから。
「遠出は出来ねぇけど、これくらい星が降ってりゃ満足だろ?」
「うんっ! うんっ! ありがとう! さっきはごめんね、嬉しい!」
さっき大騒ぎした事を素直に謝るのもそこそこに、あいの視線は空にくぎ付けだ。瞬く星の光が投影されて、あいの大きな瞳がキラキラと光っている。
そんなあいの傍へと寄り添い、ナポレオンがとても優しく微笑むのに対してあいの心がなんだかくすぐったくなって、恥ずかしくなって。
「ねぇ、ナポレオン……タイプの人とかって、」
タイプの男性……やっぱり優しい人って答える。あいに世界で一番優しくしてくれる人で、阿呆とは言うけどなんだかんだとあいを尊重してくれている。
この前あいを置いて死にかけた件に関しては謝ってくれたし。やっぱ優しいだけの男の人よりも頼りがいのある人のが良いかも。こうやって幸せとか嬉しい事のところへ引っ張って行ってくれる人が良いかも、そうだそうだ。
「……結局、好きな人が理想になっちゃうんだよね、」
「あ?」
「こっちの話!」
これから先もこんな調子で素直になったり、素直になれなかったりもするけれど。
こうやっていつまでも手を繋いでいて欲しい。そうしたら、貴方は私の永遠の旦那様。キスだってたくさんして良いよ。
しかしあいが許可をおろす前にナポレオンとあいの唇は重なっていたのだった。
星が見えないでしょ、と素直になれないあいが文句を言ったり、そんなの全く聞く気も無ければ、気にする様子も無いナポレオン。
ふたりはとてもお似合いの新婚夫婦だった。この丘が駅で、あの銀河が鉄道ならばきっとふたりは月にだって行けるのに。
あいとナポレオンの突発的なハネムーンはまだ始まったばかり。星はまだまだ遠慮もせずに降り注いでいる。
むずかる星をあやすように。天空へと手を伸ばすあいの左手を掬い取って、一番輝く指にキスを落とす。あいの表情は先ほどの不機嫌が嘘のように幸せそうだ。
そう。背が高くて、カッコよくて。この世界で一番最初に会ったなんて運命的なあなた。恋する乙女は盲目だから、一番最初に出会ったのが伯爵だなんてノーカウントなの。
俺に着いてこいって言われたら文句は言うけどちゃんと着いて行くから。でももし、本当に足が痛くなったらまた抱っこしてね。お姫様抱っこなんて贅沢は言わないから。
あと、私を置いていくのも二度としないで。また置いて行かれたら待ちきれずに飛び出して行って必死に探し回るから。ナポレオンが居ないと私、無理だもん。一緒に居るためなら命の危険なんて気にしないよ。
これはただの脅しじゃないからね。私の命が惜しいなら何も言わずに置いていくなんて絶対やめて。まして人の寝顔を見ながら幼いやら愛らしいとか書き残して行くとか、それなんていう死亡フラグ?って感じじゃない。二度としないで!
報連相は夫婦間では重要だと思う。あと、あと……えーっと、うん。もう……私の傍に居てくれるだけでパーフェクト、だよ。だからどうか、これからもよろしくね。仲良くしてね、ずっと。
あ、ちょっとまった! あともうひとつ!
定期的に好きって言って欲しい!
星が降るからあの丘へ
注文が多いお嫁さんと銀河旅行