-
アーサーで1時間使って駄文書いてみた。「その心臓が鳴り止んでも」
-
お名前変換可能なので試行錯誤してもらうか、お近くのはちを捕まえてくださいw
かかった時間
60分でまとめたのに結局納得いかずに+50分W
注意
○この二次創作は書き手の妄想と勘違いの産物です。
○本編読んだけど断片的にしか記憶ねぇもの。
○だからもう適当に書いてる
○アーサーは偽物
○主人公ちゃんも偽物
これ見ても大丈夫?
それならばお暇つぶしにどーぞ!><
愛しいあいへ。はぐらかしてばかりで、本当の事から目を背けてばかりいた俺を選んでくれてありがとう。
最初からキミが気になって仕方なかった。出会った時から考えていたのはキミの事ばかりだったんだけど、上手く隠せてたデショ?
優しい人、愛しい人。どうかこれからもよろしくネ。キミが例え俺を置いて行ったとしても、ずっと、俺は。
「あい……ソレ見るの好きだよね~」
「ふふ、だって……」
あいは朝日に自らの薬指を翳して、そこで輝くリングを見て幸せそうに微笑む。朝を迎えたと言うのに未だにあいとアーサーはベッドの住人だ。
リングばかりを見つめるあいを後ろから抱き寄せて、アーサーはあいのつむじに顎を押し付ける。ああ、うん。ぴったりだ。引き寄せただけでこのベストポジションなった事が既にもう運命すら感じる。
「指輪ばっかり見てないで俺も見てよ、」
「体勢的に無理でしょ……ちょっと腕の力緩めてよ」
「ヤダ」
「ヤダっておかしいでしょ、」
腕の中のあいがクスクス笑っている。ああ、幸せだなぁ。これから何回こんな夜をふたりで越えて行けるのか。アーサーは幸せに脳が蕩けそうになる。
ああでも、そろそろあいの淹れた珈琲も飲みたい。お気に入りのカップで。あのカップで飲むあいの特製珈琲を飲めばもう今すぐ世界中で一番の幸せ者になれる、絶対に。
でもそれにはあいを離さねばいけない。ああ、それは嫌だ。何とかあいを手放すことなく彼女が淹れた珈琲を飲むことは出来ないものか。今世紀最大のバカな悩みを抱くこの男は確かにシャーロック・ホームズの生みの親だ。
「アーサー、そろそろ私キッチンに行かないと……」
「そうだよねぇ~」
そうだよね、と言いながらもアーサーはあいの頭頂部に顎をぐりぐり押し付けながら全力で拒否している。
「ちょっと! 私がハゲたらどうするの! やめてっ!」
「大丈夫~、あいがハゲてもハゲてなくても俺は愛してるし~」
「ハゲてもハゲてなくても愛してくれてるなら私ハゲ損でしょ! 良いからもうはーなーしーてぇー!!」
あいがアーサーの腕の中からなんとか脱出しようとするが男の力に敵うものか。しかも今日は新婚サービスでセバスチャンは絶対に起こしに来ない。
「今日から暫く仕事は休みって伯爵も言ってたし、もうちょっと……、」
「それでも今日はダメ! 久しぶりに良い天気だから今日はセバスチャンが全室のシーツ交換したがるだろうし……流石にそれは手伝ってあげたいの!」
「えぇ~?」
駄々を捏ねてもこうなったらあいは絶対にセバスチャンを手伝いに行くと言ってきかないだろう。
例えばこのまま強引に夜の残り火を種火にしてあいを引き留めたとしても……その後あいは不貞腐れてしまい、後々酷い目に合うかもしれない。
「どぉーしても行くの?」
「うん……干し終わったら直ぐ戻ってくるから……、」
一応あいも愛しい旦那様のおねだりに揺らいでいるが、そのまま流されてはくれなかったようだ。仕方ない、ここは涙を飲むしかない。
アーサーが甘えるような声を出して落ちなかったのはあいくらいのものだろう。アーサーが声をかければ大体の女性は靡いたし、直ぐに落ちてきた。
本当に、結婚したってあいは手強いままだ。結婚するまでも大変だったけど、この先もきっと大変なのだろう。想像するだけでワクワクする。
「じゃあ……珈琲淹れてくれる?」
「うん、勿論! それは一番に持ってくる!」
今日一番の笑顔をくれたから仕方ない、見送ってあげよう。アーサーは渋々と、嫌々しながらもあいを開放してやる。しかしあいは無情にもそのままさっさと準備を済ませて勇ましく部屋を出て行ってしまう。
あーあ。行ってしまった……あいが居ないならアーサーもベッドから降りて仕事でも始めようか。あいが居なくなっていきなり部屋が閑散とした気がして、とても気が重いけれど。
いやでも、あいが淹れてくれた珈琲が飲めるから。きっとあのお気に入りのカップに淹れてくれた珈琲を飲めば世界一幸せに……、
「でもそれってあいが傍に居てくれる事が前提だしぃー、」
アーサーはあいを手放してしまった。いや直ぐ戻ってくるけれども、今現在腕の中には居ない。だから今アーサーはとても不幸になってしまっている。
結婚に向いていない男、と当時ラブラブで付き合っていた筈のあいにすら思われていた男は今、新婚生活に溺れ切っていた。それはもう浮かれているし、ずぶずぶだ。
ああ、恐ろしい蜜月病。少しでも離れたらもう孤独で死にそうだ。あいが居ないと死んでしまうかもしれないと真剣に考えてしまう。
「無理。やっぱ無理、」
結婚してからというもの、ずっとベッタリしていたから未だに元の生活への戻り方が解らない。
リハビリならもうちょっとしたらやる。あいが仕事に完全復帰したらやれば良い事だ。だから今は極力あいに引っ付いていたい。
それだけを一心に思いながらアーサーも準備をしてあいが居るだろうキッチンへと足を運ぶ。着いた先であいに呆れられようとも、セバスチャンに驚かれようとも構わない。兎に角、今はあいの隣に。
あーあ。こんなはずじゃなかったのに。もっとクールに、カッコイイ旦那サマってやつになる予定だったのなぁ……ホント恋って恐ろしい。うん、五感だけじゃ説明出来ないこの感情はあいが前に言ってたトクベツってやつなんだと思う。
だって最初から、五感以上の何かが叫んでたから。あの子の傍に居たいって。あの子が気になる、あの子が危ない目にあったら嫌だ、あの子は大事なんだって。
出会った時から危なっかしくて仕方なくて、気になって気になって。気付けばもう噛みついてた。ああ、今思い出しても無様で嫌になる。余裕無過ぎでしょ、俺。
あいがあの性格だからセーフだったけど、普通ならもう関係修復とか不可能だ。良かった、あいの世界に通じる扉が開くのに時間かかって。直ぐにまた開きます、だったらもうアウト。あいは直ぐに元の世界に逃げてたに決まってるし。
そしたら俺は未だに空虚なまま生きてたのかもしれない。ああ、ゾッとする。だったら、ああならとか考えるだけ不毛だと思っても仕事柄想像力が膨らんで、やっぱりその可能性を思えば心底ゾッとする。
キミはこんな俺を知ってる?ああ、知ってたら少なくても……私がしわくちゃになっても傍に居てくれる?とか言わないよね。うん、キミは賢いけど、その辺は結構鈍感だった。知ってた。
君がたまに切なそうにしてる事を俺は知ってる。その度、キミがただの凡人で、想像する事が出来ないコなら良かったって思う。想像力が無ければ何も怖いものはない。
でも、キミが考えて、想像して、知恵を持って、そうしてこの先にあるものに気づいちゃったりして、それを怖がって……それでもその歩みだけは止めない。そんなキミだから俺は恋に落ちたワケで。
だから俺のこの身勝手な気持ちは本当に不毛なんだケドね。それでもやっぱり考えずにはいられない。一度死んだくらいじゃ人間そう目覚ましくは生まれ変わらないよね。
もし、例えば君が俺を置いて行ったとしても。段々と、これまで俺を置いて行った人たちと同じように等しく命が弱って行って、その過程の隣で俺はやっぱり無力感に襲われたとしても。それでいいから。
キミはどうか貫いていて。ちゃんと見てるから、全部。好きって言ってくれたらそれだけで、俺は。
俺はその時泣くかもしれないし、また我儘を言うかもしれない。また、大事な何かを失う事に負けそうになるかもしれないけど、それでも俺は君の傍に居たい。でも本当は一緒に死にたい。言えばキミは泣くから言わないケド。
あー、でも。沢山笑って年を重ねたらあいは笑い皺が沢山出来た可愛いおばあちゃんになるのかな~?
それならそれで、それは見ておきたいな。キミの全部、ちゃんと見届けるから。だから今はたくさん笑わせてあげないとネ。
それで、あいの人生が完成して、振り返った時に俺たちの笑顔が沢山あったら幸せじゃない?
そうしたら俺は、それだけを糧に永遠に近い時間を歩いていけるかもしれないし?考えれば恐ろしい事ばかりだけど。
情報を収集する前に思索をめぐらすのは重大な間違い、なんて、昔の俺が言ってるし。
とりあえず今は、大事にしないといけない事が山ほどあるからそれをひとつひとつ大切に生きていく、刻み付けていく。勿論、あいとふたりで。
「たのしみだなぁ、」
愛しい人、大好きな人。どうかこれからもよろしくネ。
その心臓が鳴り止んでも
心臓が鳴り止んでも、ずっと