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信長で1時間使って駄文書いてみた。「私を海に連れてって」
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お名前変換可能なので試行錯誤してもらうか、お近くのはちを捕まえてくださいw
かかった時間
120分(楽しくてついつい……!w)
注意
○この二次創作は書き手の妄想と勘違いの産物です。
○本編読んだけど断片的にしか記憶ねぇもの。
○だからもう適当に書いてる
○信長は偽物
○主人公ちゃんも偽物
これ見ても大丈夫?
それならばお暇つぶしにどーぞ!><
「それでは、信長様。私、秀吉さんたちと海に遊びに行ってきます」
お土産は元気な私で!とでも言わんばかりの良い笑顔で言い置きあいが天主から出て行こうとする。
待て。それを俺が許すと思うのか?男どもを引き連れ海に行くなど断固反対、拒否だ。あいは俺の物、どうしても海に行くと言うなら俺と行け、と。
「俺も行く」
「……え? だって、」
あいが信長の手元にある書簡を見て困惑した顔をする。まだ信長は仕事を終えてはいない。秀吉にも「信長様の邪魔をするな」と言われているから報告だけして行こうと思っていたのに。
不満げにあいが信長を見ていると、彼は一度嘆息してその場を片付ける。あいが何を言わんとしているかも解るので、どう納得させるかも考えつつ。
「もうこの書簡なら読み終えた、問題ない」
「でも、書簡を読んでも他にお仕事が……、」
「無い。例えもし合ったとしたら、他の武将に休みなどくれてやらん」
「……あ、そうでした」
秀吉を始め、結構普段は多忙なメンツが今回の海で避暑っちゃおうツアーに参加している。そんな事が可能だという事は、今安土城の業務量はかなり少ないのだろう。
しかし城を手薄にしても良いものなのか?それも不思議に思い信長をじぃ、と見る。またもあいが物言わずとも、全て察した信長はとても悪い笑顔を浮かべる。
「問題ない、戦力は残して行く」
「……そうなんですか?」
「ああ」
悪い笑みを浮かべる信長だったが、彼はでーとをする準備をしているのであいにはその表情は見えない。
そう、でーとだ。今から信長はあいとでーとに向かう。この世で言うならば逢い引き。意味は愛する男女が人目を忍んで会うこと、だ。
つまりそういう事だ。仕事をしている信長を城に置き去りにして、あいを連れて海に行こうなんて言語道断。けしからん武将たちから休みを没収するに決まっている。
「みんな一緒に海なんて久しぶりです、楽しみですね!」
なんて、あいがウキウキしているが信長はシレッとした顔でそうか、と笑う。
数刻後、歴史に名を遺した武将たちがゲンナリとした顔になるなんてあいには全く想像も出来ていなかった。
カポカポ、とゆっくり馬の蹄が地を蹴る音がする。緩やかな揺れ、背中に大好きなぬくもり、そして現代とは違い多少は優しい太陽。
馬の手綱はあいが握っている。最近そこそこ上達したので海に行くまでに乗馬も楽しんでいる。振り返れば機嫌よく笑う信長が居る。
今、あいはとても幸せだった。しかし幸せだからこそ、他の武将たちの悲壮な表情を思い出すと申し訳なく思う。信長に「留守を頼むぞ」と言われて喜んでいた秀吉以外は皆、一様にガッカリしていた。
「なんだか……折角皆さん休みだって喜んでたのに……申し訳ないですね、」
「俺が城に戻り次第休みをくれてやる。故に気にする必要はない」
「そうかもしれないけど……皆さんと海、行きたかったなぁ……」
あいが可愛くない事を口にしている。信長様と一緒で嬉しいです、と何故言えないのか。
信長は他の男たちの事を気にするあいが気に食わずに、鐙を軽く蹴り馬に早駆けろと命じてやる。途端、馬の歩様が一気に上がった。
「きゃーっ! 何するんですかー!」
「このままだと海に着くのは夜になりそうだ。それに俺は早駆けの方が好みだ」
「それはご自分が運転してる時にしてくださいー!!」
流石に最初に教わった時よりはあいも馬に慣れている。何とか木々の間にツッコむなどの失敗は回避するが……しかし制御はしきれていない。
蛇行しながらどんどん先へと突き進む馬にあいはどんどん焦り、馬にそれが伝わり更に加速していくという悪循環。あいが青ざめているのに、信長はのんびりと笑う。
「ほぉ……このまま行けばまた崖が見えてくるが良いのか?」
「そんなの良いわけないでしょうがぁっ!!」
子どもがまだ、食ってる途中でしょうが!と、某北のドラマの登場人物を彷彿とさせるような、寧ろ殆ど同じ語調であいが馬上で叫ぶ。
あいは必死に馬の手綱を引いて、止まってくれと懇願する。しかしどんどん崖下の海の青が近寄ってきた。冗談じゃない、あいはまだ生きていたい。
「あーっ! まだ死にたくないッ、! 止まって止まって止まってぇー!!!!!!」
あいが力一杯手綱を引けば、馬が声を上げながら前足で宙を蹴る。どうやら以前、危険な目にあった時よりは危険が少ない状態で止まれたらしい。
一安心、とあいがゆっくりと肺の中の空気を吐き出すが……はて、この状況は誰のせいだ?ゆっくり考えてみよう、信長様のせいじゃないの?いやそうだよ、許せない。
「私の馬術がまだ未熟なの知ってるのになんてことしてくれるんですかっ!」
「面白いからに決まっているだろう」
「面白いだけで命かけないでくださいっ!」
プンプンと怒るあいの意識の全てが信長に向かっている。それに溜飲を下げた信長は満足そうに息を吐く。
そんな事をしていればあっという間に海まで着いてしまった。あいと信長のふたりしか居ない広大な海を見たら、あいも怒りなどすっかり消えてしまった。
白い砂浜、寄せて返す緩やかな波、程良い太陽光線。
「まるで南国リゾートですっ! 泳いだら気持ち良さそーう!」
「南国? りぞーと? 泳ぐ??」
海を見に来ただけのつもりの信長は首を捻っているが、あいはそんなの知った事ではない。こんな綺麗な海で泳げるなんて。
ニコニコとテンション高めであいが笑っているが、信長はあいの発言の意味が解らずに眉根を潜めている。
「じゃあ私、着替えてきますね~!」
「……着替える??」
そこで漸く信長は状況が読め始めてきた。なんだか嫌な予感がする。もしかして本当に、武将たちを置いて来て大正解だったのでは。
馬を置いてきた木陰にあいが入って行き、出てきた時全てを確信する。本当に……秀吉たちとの海なんて許さなくて良かった。
「貴様……、その恰好は……」
「あ、はい。私の居た時代では良くある水着です。流石に生地は真似出来なかったけど、」
オフショルダーフリルチェックビキニ、の形をした水着モドキを編み出してしまう辺り一応デザイナー志望だっただけある。
しかし……しかしだ。殆ど乳はこぼれそうだわ、脚は殆ど出てるわ、ヘソも見えるわ……そういう恰好は信長の褥以外では認めない。
万が一他の男の目に触れたりなどしたらその男を叩き斬る。そう万が一、海で避暑っちゃおうツアーが本当に敢行されていたら名の有る武将たちが信長の剣の錆となっていたかもしれない、本当に良かった。
「じゃあ早速、」
「待て」
「なんですか? 準備体操ならちゃんとしますよ?」
「そうじゃない、その恰好はならん」
「え? なんで!? 海なのに!!」
折角上手く作れたのに、海なのに!とあいが抗議をするが信長の態度と主張は変わらずに。
「海でも駄目だ。その恰好は危険過ぎる」
主に、あいの水着姿を見た男たちの命に生ずる危険が危ないだけだが。
しかし鈍感なあいは海で溺れる、等の危険を指摘されていると勘違いした。だから今日も信長に肩を張って反抗をする、負けん気が強くて何よりである。
「海で安全に泳げるための恰好なんです! これは!!」
「ならぬものはならん!」
「お父さんかっ!!」
あいと信長が大きな海を前にとても小さい、下らない喧嘩でぎゃんぎゃん大騒ぎをしている。
結局信長の羽織を着ながら泳ぐ、という事でふたりは歩み寄る事にしたが……最後は砂浜でふたり、結局またぎゃんぎゃん騒ぎながら水を掛け合ったり砂の城を作ったり。
恋人らしく仲良く、平和に過ごしたようだった。
私を海に連れてって
貴方となら海でも山でも空でも!