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後藤で1時間使って駄文書いてみた。「すれ違って愛し合って」
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お名前変換可能なので試行錯誤してもらうか、お近くのはちを捕まえてくださいw
かかった時間
75分
注意
○この二次創作は書き手の妄想と勘違いの産物です。
○本編読んだけど断片的にしか記憶ねぇもの。
○だからもう適当に書いてる
○後藤は偽物
○主人公ちゃんも偽物
これ見ても大丈夫?
それならばお暇つぶしにどーぞ!><
後藤が起きて直ぐ、リビングへ向かうとソファであいがくつろいでいる。どうやら何か面白い記事でも見つけたのかスマホをまじまじと見ているあいに朝から後藤が胸をほっこりさせる。
「……おはよう、あい」
「あ、後藤さん、おはようございます。突然ですが私のどこが好きですか?」
聞かれて直ぐ、後藤は硬直して身動きできなくなる。先程まで癒されていたあいに今は心臓を握られているように緊張する。先ず彼は必死に考える。どこが好きか、どこも好きだが一番好きなのはどこか。
どこをどう好きだなんて考えたことなどない。何故なら後藤はあいを全体的に愛している。結構何されてもあいにならば構わないレベルで好きだ。
一体何が正解なのか……必死に脳ミソを回転させるが正解など解らない。表情を無にしたまま悩みに悩んで困惑し始めた頃、あいがにっこりと笑う。
「……なかなか正しいのかも、これ」
スマホの中身を見ながら感心したように笑うあい。後藤が固まったままあいを見ていると彼女は更ににっこりと優しく笑いかけてくれる。
それだけで先程の緊迫した心がほどけていく。良かった、あいの不興を買わないで済んだようだ。
「あ、今の質問は無しで大丈夫です。ありがとうございました、キッチン借りますね~……紅茶で良いですか?」
「あ、ああ……」
あいがスタスタ、と後藤を置いてキッチンへと歩いていく。この時間に淹れてくれるあいの紅茶は格別だ、嬉しい。嬉しいが……。
後藤には先ほどのあいの質問の意図が解らない……が、このまま彼女が言っていた通りに無かったことにしても良いものか。
もしかしてこれはサインか?この質問の裏には後藤の愛情を測る何か大事なものが隠れているのでは……そして先程正答どころか答えを出す事すら出来なかった後藤は失格なのでは……。
「……一体なんなんだ?」
何かしただろうか?いや、昨日まで自分たちは仲良くお茶をしながら喋っていた。いやでも、喋っていたのは主にあいの方で、後藤は聞く事の方が多かった。
勿論きちんと聞いていたし、共感したり、感心をしていたが……もしかしてそれが至らなかったとかも、あり得るのでは。そう、例えば黒澤のようにノリで返すなどの芸当が出来た方が良かったのかもしれない。
後藤がぐるぐる、と一瞬の内に一気に悩み出す。今更あいに捨てられたら後藤は自我を保てそうにないので必死に悩んでいるが……あいはそんな事は露知らず。キッチンで後藤のために少し温めの紅茶を淹れている。
「うーん、面白いなぁ~」
男と女の脳の仕組みは当然違う。物のとらえ方、感じ方、価値観の全てが違う生き物である。そして男は女が嬉しそうにしているとしみじみと幸福を感じるというのだが……先程後藤はあいが笑いかけたら嬉しそうにしていた。
案外そう外れても居ないような。更に、文献には男は自分からは女を嫌いにはなれないらしい。これが本当なら後藤は自分からあいを嫌いになれない訳で……それってかなり幸せなんだけども、と。全てに当てはまらないだろうが、後藤が当てはまって欲しいと願うあい。
因みに、男はガラスのハートの持ち主らしい。傷ついていないフリが上手いだけで、いざ自分の彼女に嫌われたら意気消沈どころの騒ぎじゃない、とも書いてある。彼女に嫌われたら辛い、苦しいとシンプルに凹むらしい。
「ふぅん……後藤さんもそうなのかなぁ」
現在進行形であいが自分を試しているのでは、あいに捨てられたら辛い、苦しいとシンプルにドツボにハマり悩んではいるが表面上では解らない。解らないから気づいて貰えない哀れな男、後藤誠二。
女はフラれても次の男を探せる個体が多いけれど、男は一度心を許した相手に捨てられたらそう簡単には立ち直れない個体が多いとは世の常だ。特に後藤は一途なのであいに今捨てられたらそりゃあてぇへんな事件だぜ、という話だろう。
因みに、事件はリビングで既に起きている。あいのさっきの戯れな遊びのせいで、後藤が深刻に悩んでいるので紅茶を冷ましている場合ではない。傍に寄って大丈夫だと抱き着いてやればそれこそシンプルに回復するだろうに、あいは後藤の紅茶を冷ましながら自分のお菓子も用意してのんびりしている。
「んー……あ、質問の仕方間違ってたか、」
あいのスマホの中には「私のどこが好きか具体的に上げろ」と書いてあった。冒頭のあいの質問はここに書いてある内容が元凶だ。
因みにこの文は更に「全部、と答えたり、料理が上手いと答えても何が好きかは具体的に出てこないのが男脳である」と続く。
ご丁寧に試しに今聞いてみろとまで添えてある。でもあいは具体的に答えろとは言わなかったが後藤は十分困惑していたので良しとしよう。
「可愛かったなぁ、後藤さん」
ヘラヘラ、とあいが先程の押し黙ったまま困っている後藤を思い出す。あいのこの悪戯な質問のせいで後藤は今、リビングで壮大過ぎる程に悩んでいるだろうに。
あいは女性と男性が脳ミソの構造的に大きな違いがある事なんて解りきっているし、まして相手はあの後藤だし。
例えばあいが髪を切った事に気づいただけで御の字だと思っている。その後似合ってるねだとか素敵だね等の言葉が続かなくても良い。隣に居て話を聞いてくれるだけで出来たダーリンだと思う。
「あ、そういえば紅茶で氷作ったんだった」
後藤の紅茶を冷ますために紅茶の氷を作っていたのだった。いけないいけない、忘れてた。早く後藤さんのところに戻らないと、とあいがお盆に紅茶と軽食と自分のおやつを乗せて漸くリビングへ戻ると……後藤が無表情で外を眺めて固まっている。
とりあえずテーブルにお盆を置いて、ソファに座って物思いにふける彼の背中を眺めてみる。今日もカッコいいなぁ、後藤さん、とニコニコ笑いながらお菓子を口に運ぶあい。
女は確かに言葉で癒され、愛情を確かめて、貰った言葉を思い出しては何年経っても色あせない思い出としていつまでもときめいて居られる生き物だ。特にあいは例え少なくても随所、随所で後藤に貰った飾り気のない言葉で十分死ぬまでときめいていられる。
「後藤さん、紅茶冷めてますよ~、飲みごろですよ~」
「……あ、ああ、」
男と女。どうしたってすれ違う生き物だけど。
今現在も悩める後藤と幸せいっぱいのあいはすれ違っている訳だけど。
女が嬉しそうにすれば嬉しい。そんなシンプルで単純な男性脳を持っている後藤は隣であいが笑っていればその内解決するのである。
すれ違って愛し合って
大丈夫、充分当てはまっています