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アーサーで1時間使って駄文書いてみた。「青い瞳の私のロワよ」
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お名前変換可能なので試行錯誤してもらうか、お近くのはちを捕まえてくださいw
かかった時間
80分(久しぶり過ぎたな……!)
注意
○この二次創作は書き手の妄想と勘違いの産物です。
○本編読んだけど断片的にしか記憶ねぇもの。
○だからもう適当に書いてる
○アーサーは偽物
○主人公ちゃんも偽物
これ見ても大丈夫?
それならばお暇つぶしにどーぞ!><
あいはアーサーの部屋のテーブルでフランスタイプのトランプを数枚手にしてニヒルに笑う。勝てた。これはもう絶対に勝てた。
対するアーサーはそんなあいの顔を見て表情を変えずに和んでいる。ああ、相変わらず今日も解りやすくて可愛いネ、なんて思っているのはおくびにも出さない。
窓の外は文字通りバケツをひっくり返したような雨。休みを貰っても外にも出れずにふたり仲良くトランプ。とても平和な空気だったがあいが目を輝かせて、アーサーが場に捨てたカードを指さし空気を変えた。
「それ貰う!」
「……あー、俺上がりかも」
あいが作った技を場に広げるとアーサーが間延びするような声を出して、勝ったと笑う。
負けてしまう、いつもの展開にあいが青ざめるが時は既に遅し。アーサーがあいの放った技に自分の手持ちのカードをくっつけ始める。
「えっ!? うそ!?」
「ホント。はい、これと、これ……後これ、ネ」
「いやぁー!」
あいが手持ちのトランプを場に崩しながら、自らも崩れてしまう。
ああ、もう。絶対に勝ったと確信していたのに。また負けてしまった。というか。もう勝てたのが遠い過去になりすぎて記憶にないレベルだ。
「ちょっとくらい手加減してくれても良いじゃない……」
「手加減したら手加減したで怒るくせに~」
「まぁ、怒るけど」
あいはトランプを切るアーサーを恨めしげに見つめた後、外に視線を向ける。
ああ、あいの勝利と一緒で晴天になったのさえも遠い過去になりつつあって余計に怠くなってしまう。
せめて一勝はしたいのに、まるでその気配が無い。だったら外に行って遊びたいのに、それすらも出来ない。
「はぁ……青空が見たい」
「それは明日まで無理かなー……というか明日も無理かもね~」
「もう、不貞寝したい……」
あいが椅子から立ち上がりベッドへとすごすご向かうとアーサーが嬉しそうに笑って共にこちらへ来た。
なんで当たり前のようにこちらに来るのか……と、思ったがそもそもここはアーサーの部屋で、アーサーのベッドに寝ようとしているあいの方も大分おかしい。恋人だから問題は無いが。
「アーサーはトランプしててもいいよ」
「はいはい、拗ねないの拗ねないの。一緒に寝よう?」
「そう言ってまたなんかするんでしょ!? もう疲れたから却下!」
「血は飲まないって言っても?」
「言っても!!」
ちぇー、と言いつつ結局あいの隣に潜り込んでくるアーサーにあいはため息を吐く。昼からそういう空気に持っていかれてたまるか、とあいが軽く睨むが彼はシレッとそれを受け流す。
しかしなんだかんだ言っても結局アーサーのぬくもりに気を良くしたあいの様子を見逃す事無く、3分後にはアーサーは仰向けになってあいを自分の上に乗せて抱きしめる。
アーサーがあいの髪の毛を撫でつけたり、ほっぺたを弄っていると目の前のあいの瞳がアーサーの視線いっぱいに広がり始めた……つまり、ど至近距離で瞳を覗きこまれている状態だ。
「……あい?」
「んー……なぁに?」
「どうしたの?」
「うん、まぁ……あれだねぇ~、」
あいは説明にはならない言葉を出してじぃ、とアーサーの瞳を覗きこんでいる。ウットリとはしているが……キスをして欲しい、という訳でもなさそうだ。何故なら彼女からお誘いの空気をまるっきり感じない。
まるで何かを確認するような目であいはアーサーを見つめ続けているが……その内満足したようだ。嬉しそうに笑ったあいがコロン、と転がりアーサーの横に寝そべる。
「……あい、そろそろ教えてくれる?」
「んー、と。アーサーの目が青いなぁって」
「へ?」
「だから青空見れないけどまぁいっかぁって」
「そーなの?」
「そーなの」
あいがニコニコ笑って、また嬉しそうにアーサーの瞳を見ては幸せそうにしている。あいが幸せならアーサーとしても本望だ。
「んー……少し眠いかも、」
「良いよ。後で起こしてアゲル」
「……でも一回くらい勝ちたかったなぁ……、」
眠そうな瞳を擦ろうとしているあいの手をアーサーが止めて、瞼にキスをひとつ落とす。
眠気を耐える必要はないのだから、安心して寝てしまえば良い。
それでもあいがまだ睡魔と闘っているのでアーサーはゆっくりと会話を続けてやる。
「あいはロワを捨てる勇気が無いから、ネ」
アーサーが苦笑いをすればあいは眠そうにしながらも言葉を紡ぐために思考を巡らせる。もうあと少しで彼女は睡魔に負けてしまうだろう。
roi(ロワ)は王という意味だ。つまりどのトランプゲームでも戦局を有利に運べる事が多いが……時にそれを切る勇気も必要なのにあいは大事にそれを抱え込む傾向がある。
勝負師であるアーサーにそこまで読まれてしまえば、あいが勝つのは至難の業となってしまっていた。だが、それでも。解っていても、どうしても。あいはロワを切れない。
「……いいんだもん、ロワは私の切り札なんだから、」
あいが放った一言でアーサーは一瞬思考を止める。何それ?超絶気に食わないんだけどソレ、と。
「えー? なんかそれ、すっごく腹立つんだケドー」
「何が……?」
「あいの切り札は俺でしょ?」
「……だから、そう言ってるでしょ、」
「は?」
勝負事は絶対に負け知らず。例え相手がかの天才だろうと、荒くれ者でも。臆せず、冷静に……あくまでも面白おかしく倒していく。
いつも王者の風格でそこに立っているあいの大好きな恋人。だからあいは絶対にロワを手放したりはしない。
「ねぇ、どういう事……って、寝てるし……ちょっとあいー、俺の事振り回してる自覚あるー?」
推理するのは容易いけれど、あいの言葉で聞きたい。だから今は諦めて嘆息しつつ上半身を起き上がらせる。
アーサーが気になる真相はもう夢の中へ。追いかけて聞きに行っても良いけど、そろそろ原稿を仕上げなくては。
幸せそうに寝ているあいにアーサーはやっぱり苦笑いをしていたが……彼の青い瞳は幸せそうに柔らかい光を湛えているのだった。
青い瞳の私のロワよ
どうか、いつまでも微笑んでいて