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003
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週の中日の水曜日。
会社に着いて、はぁーーっとため息をついた。
『なんだよー(笑)朝からでっけぇため息だな』
私の頭を分厚いファイルでポンッと叩いたのは同期の岩田剛典。
大学が一緒でサークルも一緒だった。
営業成績はトップクラス、おまけにイケメンで優しい。
わが社の女性社員はおろか、営業先の女性社員までファンがいるぐらい。
『岩ちゃん、今日外回り?』
『俺?15時に一件アポあるだけ。なに?』
『ランチ行こーー』
『いいけど…また?』
またって…
まただけどさ。
『あんたのせいでもあるじゃん!』
『俺のせいにすんなよ(笑)自分で決めたんだろ』
そうなんだけどさ。
分かってるけど、岩ちゃんぐらいしか聞いてもらえる人いないもん。
『仕方ねぇな。いいよ、ランチ行こうぜ!花梨の奢りで』
『えぇー!』
『えぇー!じゃねぇわ!』
岩ちゃんはまた私の頭をポンッと叩いて自分のデスクに座った。
まぁ、私の隣なんだけど(笑)