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004
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『で?今回はなに?』
会社の近くにある、見た目はオンボロだけど安くて美味しい定食屋さんで、テーブルに着くなり岩ちゃんは前のめりに聞いてくる。
『今度はって…アイツがする事って言ったら1つしかないでしょ。あーぁ』
私は、また大きなため息をついた。
『その周りをことごとく不幸にしそうなため息やめろ(笑)
てか、臣さんまた浮気?』
『浮気って概念がよく分からないんだけど…』
私は昨日届いた封筒を岩ちゃんの前に差し出した。
封筒を開いた岩ちゃんは、ピラっと写真を取り出して苦笑いをした。
『こりゃまた生々しい』
『どうせなら、繋がってるところにすりゃいいのに…』
『見たくねぇーわそんなもん(笑)』
岩ちゃんは、添えられていた手紙を読んでまた苦笑いをしている。
『これ、どうやって受け取った?』
『郵便受けに入ってた。』
『自宅バレてんの?なんで?』
『そんなの私が知りたいよ』
岩ちゃんは、いつになく難しい顔をしている。
『お前、呑気な事言ってる場合じゃねぇだろ。
家バレてんだよ?何されるかわかんねぇーじゃん』
『うーん。引っ越した方がいい?』
うんうんと頷いている岩ちゃんの顔を見て、私はまたため息をついた。