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【海軍船】
午後八時、決まってこの時間はご飯が運ばれてくる時間.....
ほらきた。
「オイ、飯だ」
私は決まってこう言う。
『食べたくありません』
「食べたくないってもう二日だぞ、そろそろ食べないt『こんな牢屋みたいなところでは何も食べたくないって言うの!出てって!!』
チッ.......」
バタリとドアが閉まると鍵の音。
ここに入れられて丸二日。
狭くて息苦しくて食欲がないのもそうだが少し意固地になってるのが自分でも分かって、空っぽのお腹を撫でて寝転んだ。
あと何日ここにいればいいんだろう。
今みたいなの続けてたら下手すりゃ餓死......
なによ、あいつらが掲げる正義って善人をこんな所に閉じこめること?
サイアク。
そんなことを考えてるうちに夜は静まりかえり眠気が襲ってくる
それに抗うことなくしばらくして狭い個室は寝息だけの空間になっていた。
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ドンッッッ
『んん.......なに......?』
ドンッッッドンッッッ
「甲板へ急げ!!」
「絶対に捕まえろ!!!」
騒がしい周囲の音
「クソっ.......味方がもう半分やられてるぞ!」
戦闘中なのだろう、バタバタと足音が過ぎ去っていく
強いのかもうこの船の半数の海兵たちはやられているらしい。
「.......のォ...........ル.!!!!」
バリバリバリッッッ!!
敵か味方か分からぬ声がすると同時に朝日が見えた
「やべぇ、やりすぎちまった」
「ったくおめーは......」
「オイまだ居るぞ、海兵か」
視線が向けられる
『わたし....?か、かか、海兵なんかじゃないです!』
「海賊か?捕まった奴か?」
『違います!海軍に無理矢理ここに入れたれただけです、私なにも.......!』
「......レディーちゃんじゃねーか、おいお前ら、この子連れてくぞ」
「ま、この船にもう味方はいねえし仕方ねえか」
「っししし!よぉーし!戻るぞー!!」
海軍も海賊もどっちにしろ悪いやつなら出て海にでも放り出してくれたらラッキーだ.....
金髪兄ちゃんが差し出した手を握り返すと横抱きにされて海軍の船を飛び出していった
連れていかれる最中二日ぶりの日の眩しさに目を細めながら見た海軍船はボロボロになっていた。