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幕間・手紙
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のばらさん、お元気ですか。あなたがルドルフを去ってから初めて夏が来ました。
中学から引き続きテニス部に入り、1年生としてまた初心に戻って基礎練習などに取り組んでいますが、ついつい先輩に向かって生意気にも説教を垂れる今日この頃です。
のばらさんは、まだそちらに入学して間もないのに代役としてあの舞台に上がったそうで、とても驚いていると同時に嬉しくなんだか誇らしいような気持ちです。
本当に本当に残念ながら、あなたの初舞台を応援しに行く事が叶いませんでしたが、次こそは何としても応援しに行きますね。
急に暑くなり、冷房も強く効きすぎている場所もたくさんあるでしょう。どうかお身体に気を付けて素敵な毎日をお過ごしください。
観月はじめ
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はじめ君へ
いつもメッセージのやり取りをしているのに、朝、わたし宛に手紙が届いているというものだから驚きました。
事前に手紙を書いたよ、なんて言ってくれていたら冷静に受け取ることができていたのに。はしゃいだせいで隣の部屋の友人から苦情を頂きました。
つい、嬉しくてベッドの上でゴロゴロ転がって壁に激突してしまったなんてバレたら、明日からどんなあだ名をつけられてしまうか。ちなみに、今は丸焦げの君と呼ばれています。初めて挑戦した卵焼きが全面こげ茶色になってしまったからです。
お味噌汁は上手に作れるようになったから、いつかごちそうします。
先日の舞台で代役を演じさせて頂いたお陰で、雑誌の撮影や新しい舞台のお仕事を頂きました。
近いうちにチケットをお送りします。みんなには内緒ね。
のばらより