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『『あんだと?』』
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西暦2205年…
歴史の改変を目論む「歴史修正主義者」によって過去への攻撃が始まった。
時の政府は、それを阻止するため「審神者」なる者を各時代へと送り出す。
審神者なる者とは…
眠っている物の想い、心を目覚めさせ、自ら戦う力を与え振るわせる技を持つ者。
その技によって生み出された付喪神「刀剣男士」と共に歴史を守る為、時代を遡り戦う…。
『つまり、兄貴に審神者の素質があるから頼みたいと?』
兄貴は無反応だけども、まぁ話の要約は理解できてるっぽい。
私の発言に、椿さんは静かに頷いた。
「単刀直入に言ってしまえばそういう事です」
『うん、短刀好き』
『俺は太刀派だ』
『兄貴はデカいからだよ、ほら、身長180cm超えて…そのデカさも恐怖の対象じゃね?』
『……………』
『その図体で蹲らんといてくれる?目に見えてうぜぇ』
デカい身体を丸めて落ち込む兄貴をバシバシ叩く。
『あー…とりあえずさ、何で兄貴なの?』
「我々が扱うのは、刀剣の付喪神…彼等は、依代である刀剣の状態によって負傷度が変化します。審神者の役割の中には、刀剣の状態管理も含まれております…しかし最近、手にした刀剣をぞんざいに扱う審神者が増えておりまして…」
『『あんだと?』』
「∑ひぃぃッ!!」
…おっと、兄貴とハモってしまった。
いやいや、だってさ聞き捨てならないじゃん?
刀剣…つまり、刀がぞんざいに扱われるという点に関しては専門職である兄貴が黙っちゃいないだろうし、私もその家柄の人間だ、黙っていられるわけがない。
『…サーセン椿さん。えーっと、兄貴なら刀剣を大切に扱うから向いている、と言いたいのね?』
「そ、そういう事です」
『だってさ。話聞いててどうなのよ兄貴』
『……………』
兄貴の特性、無言の威圧(プレッシャー)
だけどその視線だけは私に向いていて、静かに目を細められた。
『…どうやら、私も一緒じゃなきゃ協力する気はないそうです』
「是非とも宜しくお願いします。実は私が蓮さんの担当に当たるもので、2人っきりは困ると考えていたんですよ」
『待て待て担当の椿さんやい、ハナっから私を巻き込む気満々だったんかい』
その時…私の肩に兄貴が手を置き、私と視線を合わせて…例のドスのきいた声色で呟いた。
『お前に拒否権は無ぇ』
『メールで呼び出された時点で拒否る権利無いのは気付いとったわ、何なの兄貴馬鹿なの潔く死ねよ』
「(これ通常会話なの!?もうヤダこの兄妹恐すぎ!!)」