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風のせせらぎ、蝦蟇の幹の中を流れる水の音。
今日もこの音に癒されながら、この前サソリからもらったブレスレットに指をふれて、何を考えるでもなしにボーとしていたら風に乗って粘土のきつい独特の香りとともに目の前に金髪の髪長ちょんまげ少年が現れた。
対戦モードに切り替えておらず身構えるのがおくれる。が相手から殺気どころか怪しい恰好ではあるが雰囲気はまるで友人と会うかのような人懐っこさが醸し出されていた。
一息、ついて鶴音は、
「…アタシになにか用かい?」
「こんなとこで、なにしてたんだ?、うん。」
あまりにも突発じみた発言に鶴音は驚き
もう一度問うように
「…ん?」
と、発すれば…
「ん?じゃなくてだな。うん。」
と、独特な返答が返ってくる。
鶴音はいつかどこかで見たことがあったような容姿だと記憶を辿りながらまじまじと少年をみる。
そんな鶴音の
視線に熱っぽさを感じ焦る少年。
もちろん鶴音は記憶を辿ってるだけで熱っぽい目で少年をみているわけではなかった。
「どこで、みたかね?…うーん」
「なんの話だ?うん。」
少年から粘土の独特なニオイと着ているこの服というかマント?
…たしかサソリからもかすかに粘土のニオイがしたし服装もそろいそろってお揃いだった気がする。
ってことは、なんっていってたかな。
「あっ!うんだらぼっち!!」
「び、びっくりするだろ!ってかオイラうんだらぼっちじゃねぇ!デイダラだ!うん。」
「あぁ…すまないねぇ、うんだらぼっちじゃなくてデイダラボッチかい。」
ふむふむとこの少年を思い出せてすっきりしてる鶴音に名前を間違えられうな垂れるデイダラ。
「だから、違うっつてんだろ!オイラはデ・イ・ダ・ラだ!!」
「はぁー、そんな叫ばなくても、アタシとアンタの距離感2メータもないぐに近いんだから十分普通の声で聞こえるよ」
耳を痛そうにさすりながら嫌気のさした顔でそう口にする鶴音
デイダラは、そんな鶴音の態度に
「オイラの名前間違えといてよくいえるな。侘びの一つくらいいってみたらどうなんだ?うん。」
少しばかし、不機嫌な声と態度で物申す。