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02
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一瞬、目の前の男が何を言っているのかわからず思考が停止する。
「それじゃ、「まちなよ。」
言うだけいって渡すだけわたして、消えようとするサソリに慌てて、消えることを制する。
「…なんだ、はやくしろ。」
「はぁ、…これ、どうしたのさ?」
せっかち気回りないサソリに、親指と人差し指で持ったブレスレットをぶらぶら揺らしながら見せびらかし問う。
「くくっ、知りてぇか?」
裏がありそうな笑みを向けてくるサソリ。
「なんだいその笑み…あんた気味が悪いね。」
少しばかし逃げれる体制を
気づかれないようにとりながら苦笑う。
「もとからだ。傀儡になりてぇのか?」
どす黒い殺気とは違う黒いオーラを醸し出しながらじりじり近づいてくるサソリ。
「…悪かった。で、どうしてんだい?」
はははっと空笑しながら、調子を戻すように問いかける。
「しつけぇな、後にわかる。」
「…。」
あやしい、この後つけたら爆発するんじゃないんだろうか。否、サソリのチャクラが練ってあって、傀儡にされるんじゃっ…
そんな考えがよぎりながら、サソリをみていたら。
「なんだその目は、要らないなら返せ。」
とてつもなく不機嫌な顔で片腕を伸ばし受け取る体制に入っていた。
「…やだよ。」
「はっ?」
アタシの言葉に怪訝な顔でみてくるサソリ。
「だから、返さないってんだよ。」
「いらねぇんじゃねぇのか?」
「誰もそんなこといってないだろ。ともかく、だ。アタシは一度もらったもんは返品しない主義でね。」
ニッと笑って、
「知ってんだろ?」
サソリの前でぶらつかせていたブレスレットを左腕にはめれば。
「知らねーよ。」
また、くくっと笑ってどこかを見ていた。