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「無理に決まってんだろ。それよか、さっさと観念し「おい!」
にひひと、いたずらっ子な笑みをみせながら自来也が負けという含みをもって言葉を発するが言い切る前に自分よりも大きな声で遮られる。
「…自来也、あんた、いつから口動かさづに「鶴音!!」
自来也の口元をみるが、息をしている以外に動かしているようには見えず目を凝らしながら呟く鶴音
「…声変わりまでして。」
また一段と大きな声で名を呼ばれ口も動いていなければ、誰か聞いたことのある似ている声に、自来也を疑問に思う。
「お前さんさっきからなにいっとる、どう考えてもワシな訳がないだろう。」
ため息混じりに、“それでも忍びか?”といいたげな雰囲気で話す自来也。
「…はっ?な・・・いだだだっっ!!?」
自来也の言い分に疑問を確かめようと蝦蟇のてっぺんに近いところの枝に足をおいた瞬間、同時に頭に圧迫感を感じすぐにぎりぎりとこめかみを押さえつけられていることに気が付き後ろを振り向こうとすれば、そうするよりもはやくに首から上を強制的に頭をつかんでいる奴の方向へ向けさせられる。
「あー痛いー…ははっ、誰かと思えば、これは、これは、サソリじゃないかい。」
顔をしかめながら黒いオーラを放つ赤毛の少年みたいな顔をした青年に苦笑いをこぼす鶴音
「さっきから呼んでいる。気が付かなかったのか?」
「えっ?てっきり自来也かなーとさ。「声がちげぇだろ。」
「声変わりなんてあちゃったりー「老いぼれていくだけの奴がいまさ「それは酷くないか。」
機嫌の悪さがそのままのサソリにとぼけたことを言ってみる鶴音に、サソリは容赦なく事実をいい自来也が即座に反応する。
そんな自来也を無視して、サソリはいまだ強く鶴音の頭を掴む手をはなさない。
「てか、痛い…サソリ、掴んでるその手を放してはくれないかい?」
「あぁ…むりだ。」
鶴音の必死な訴えを
真顔で平然ときっぱり断るサソリ。
『なんでだよ!!?』
内心鶴音が瞬時に反応し叫んだのは言うまでもない。
「どうしてさ。」
焦りをみせればサソリの思うつぼだ!と平然を装いながら問う。
「逃げるだろ、鶴音」
問いに平然と返すサソリ。
「…考えてなかったよ。」
サソリの返答にしっくた、その手があったか!と落ち込んでいたら、また奇妙な人を一人容易く傀儡にでもしてしまいそうなニヤッけ面で
「そうか、まぁいい。…自来也。」
数枝斜め下から自来也が顔をのぞかす。