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鶴音は瞳を大きくさせて
自分の指にはめられたリングをみた。
「サソリ、お前さんワシにこれを見させてなんの意味があるんじゃ?」
言葉をなくしている鶴音を抱きしめる
片腕の力は緩めずに首から上だけを
動かし斜め下の自来也の瞳をとらえにやりと
「くくっ、わからねぇのか?鶴音は俺の女だ。頻繁に逢ってるみたいだがこれからは控えてもらわねぇとな。まあ関係をいま切るってのも有りだが?」
「関係を切るか・・・。悪いがそれは鶴音できんの~。のぉ鶴音」
言葉もなくサソリにはめられたリングをひたすら見つめたいた鶴音は自来也の同意を求める紛らわしさの含む言葉に
「はっ?えっ!?なっ!?」
自来也をみて、サソリをみてあわあわとしだす鶴音にサソリは、眉間にしわを寄せて問う。
「鶴音どういうことだ?」
「どうもこうもなんのことだい。全く話がみえないよ」
「あ?自来也とどういう関係だ?って聞いてんだ。」
「なにゆって、このリングが…え?」
「この距離で大声をだすな。聞こえている。」
「自来也…どうもこうも、アタシの大切な友人だよ」
「…それ以外には?」
「それ以外?…若いピッチピチのお姉ちゃんの尻を追っかけてるエロじ「もういい!鶴音ワシがわるかった!」
「…なにをそんな声をあらげてんだい、自来也」
「ゴホッゴホッ…のぉー鶴音」
あきれた物言いをする鶴音に二度咳払いをして自来也は鶴音に告げる。
「なんだい?」
「ワシはもう帰ろうかの~承認の役目も果たしたのぉ。」
「な、ちょ…「ほおーお熱いこったー」
サソリに抱きしめられていることを忘れかけてた鶴音は、自来也にニヤニヤとからかうように言われ乗り出し気味だった体制を戻し現状況を確かめるように、サソリを見てため息をつく。
「なんだ?」
「この状況は、どうすべきかと思ってね。」
「どうも、こうも、受け止めておけばいいだろ。」
そう平然というサソリの顔は今まで見たこともない甘ったるい雰囲気をまとっていた。
「なっ…じらい「なぜ、奴の名を口にする?」
甘い雰囲気はずっと吹いている風がどこかへ飛ばして消し去ったかのように低くまたどす黒いオーラがサソリの雰囲気をまとう。
「ヒューヒュー「うっさい、自来也!!」
“げっ”となっている鶴音をよそに、大声で先ほどの仕返しと言わんばかりにからかう自来也。
「で、どうなんだ。」
先ほどとは逆にキレ気味な鶴音を
まじかにため息を吐き出してサソリが問う。
「なにがだい?」
言われている意味がいまいち
理解できず鶴音はサソリに問い返す。
すると、リングをはめた指をすくわれ
サソリの口元に誘導される。
「鶴音、答えをききたい。」
やさしく触れるだけのキスをリングに落とし鶴音の瞳を熱のこもった瞳で反らすことすら許さない程に射抜く。
「こ、答えって…からかうのはよしなよ。」
まるで自分の心臓の鼓動が耳の近くにあるんじゃないかと思うほど、“バクバク”しているこの気持ちをサソリには、ばれてはいないだろうかと、ドキドキしながら、言葉を繋ぐ。
「誰が、からかっている。」
爽やかな笑みで答えるサソリ。
「なーワシもうかえ「自来也!!」
飽き飽きした、とばかりに自来也が声をだすが、それは許さないよ!といわんばかりに鶴音が自来也の方に顔を向け声をだす。
「別に、お前さんらの話じゃろーワシに関係ないだろ?」
「いや、ある。鶴音は今日をもって俺の嫁だ。」
「いつ、アタシがあんたの嫁になったてんだいっっ!?」
しれっと自来也にいうサソリに思わず声がでかくなる。
「いまだ。ちゃんと話を聞いてろ。」
ため息と、ともに静かに落ち着いた声でツッコまれる。