-
コンクリートの上に立つ。
-
外はポカポカ陽気な天気。
小鳥たちのさえずりが子守唄のようで眠気を誘う。
そんな何気ない一日
アタシは目の前の男共を見て考える。
「そんなに見つめてきて誘ってn…「何言ってるんだ、旦那!蘭華はオイラを誘ってるんだ。うん」」
このアジトからどうやって逃げ出そうかと。
「ふっ、残念だったな蘭華逃げれるはずがねぇだろ。」
でも、なんでか、毎回失敗するのよね。
「蘭華そんなの分かりきったことだろ。うん。」
只でさえ普通のそこらにいる男共ではなく忍びの世界では、“S級”扱いされている黒マントに赤と白の雲模様、の変態共…
「「「おい、誰が変態だ。(うん)」」」
ってかアタシそもそもS級忍者じゃないし。
しかもこのままこの変態男共と一緒にいる所を、もし!もしも!
「もしもし、うるさいな。うん」
運悪くアタシの大好きな、そう大好きな…
「2度も言う必要ねぇだろ。」
あの人に殺されかけ…
「そんなことさせねぇから安心しろ」
「旦那の言うとおりだ!うん。」
・・・、ふぅ。
まぁ、それもそれでいいかもしれないわね。愛ね。
「「「なわけねぇだろ!!(うん)」」」
今アタシは大好きな、大好きな
あの人の名前を言うことも
「蘭華言うがいい。始末してこよう」
こんな変態共と一緒の追い忍じゃないってことも
「どんどん扱い酷くなってきてないか?うん」
暁とかいうクラブのメンバーじゃ
「いつからクラブになったんだ。」
ないことも
「無視か?」
アタシの自由、そう、自由!!も、
「蘭華強調したな。うん」
全て、全て…そう!全てよ!!
「うわっ!蘭華急になに作ってんだ!?うん。」
・・・奪われてるんだからあぁぁぁっっ!!!(叫)
ふふふふふっっ、
「おい、あいつ大丈夫か?」
「鬼鮫!!戻ってこい!蘭華止めろ!うん。」
この屈辱を、今!そう、今!
この場に作った、
コンクリートの舞台でアタシは叫ぶわ!
「##さん!こんな所で何やってるんですか!!」
さっきから人の心の声に
ごちゃごちゃとうるさい声が聞こえるけど
今は、そんなこった関係ないのよ!
「蘭華!!大有りだぞ!うん」
「ふははっ!幾度とない邪魔も彼とのランデブーの為なら甘い~甘い飴の前の鞭と思えば、痛くも痒くもないのだから!ふふふっ、さあ!これから始まるアタシと彼の甘くも切なく儚い恋物語の幕開けよおっほほほっっ!!」
デ「旦那、蘭華とうとう頭のネジふっ飛んじまったか?うん」
サ「もともとだろ。それより蘭華のいう“彼”を探し出せ。」
イ「…ふっ、ナンセンスだ。」
鮫「蘭華さん!なに、わけのわからないことを言ってるんですか!!?
みなさん、呑気に座って談話している場合ですか!?蘭華さんを止めるの手伝ってください!!」
蘭華が声に出したことによりただの断言になってしまった計画は、はた迷惑にも木の床板の上に術で作り上げたコンクリートの上に立つ。ことで始まった。
NEXT→煙の先
平成19年 09月04日 執筆