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消えないように傷つけて - 前 -
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あの日の一件以来、変態暁の監視がきつくなりアタクシ蘭華は非常に不愉快です。
「逃げようとするお前が悪いんだろうが」
毎日、毎日、交互に任務が無い誰か一人が常にアタシの近くにいるうえにアタシにだって自分の部屋があるのにろくに部屋にこもることもできない。
人が部屋でくつろいでいたら数分置きにドアをノックもせずに開けてくるんだモノ。
「オイラはノックしてるぞ、誰だ!蘭華のドアノックしねぇのは!うん」
「私はしていますよ。」
「なぜ、ノックする必要がある。」
「だ、旦那!まじかよっ!」
たまには一人で
一日ボーっとしたい日もあるじゃない。
なのに、なのに…デリカシーもない変態ばっか。
はーぁ。今日は一人で部屋でくつろぎたいなー
「・・・イタチさんどうしますか?」
「あぁ…」
この前作った自作のコンクリート台に、ちょこんと体操座り天井を見上げて小さく前後に揺れている蘭華
それをそれぞれの位置から横目に映している。
一見、蘭華に関心が無さそうな体の向きとそれぞれに何か事をしているわけだが蘭華の心の声にばっちり反応してそれぞれに口にだしている辺り、蘭華への関心は有りすぎる程である。
なおかつ、ここ数日蘭華を朝、任務のない誰かしらがノック有無関係なく部屋を訪れ、自己流の起こし方をして数名ぶん殴られている始末。
それでも懲りず、そのまま嫌がる蘭華を部屋から引きずりだし、夜寝るまでの間部屋に戻ることを阻止したり運よく部屋にこもれたとしても数分置きにガチャガチャとドアを開け、用もなしにこちらも自己流で蘭華を構おうとしてキレられる暁男メンバーたち
そして飛段にいたっては全てにやましい気持ちがこもっているのが見え見えで、他のメンバーよりも数倍蘭華の怒りが大きかったのは言うまでもない。
そんな、濃い毎日に嫌気がさしてきたのか。
今日、朝デイダラに起こされてからずっとマイお立ち台にてため息をつく蘭華
「蘭華さん、そこ座るならなにかひかないとお尻から冷えてお腹を壊しますよ。」
「…いいもの、お腹壊して一つしかないトイレにこもってやるわ。ざまぁみさらせってーのよ。ふん。」
鬼鮫の心配に頬を膨らませそっぽを向く蘭華
そんな蘭華の表情を可愛いと各々雑念を含みながら内心悶えている訳で何一つ痛くもかゆくも思ってない様子。
だが、このままずっと蘭華の機嫌を損ねておくわけにもいかない。
しぶしぶサソリが蘭華に声をかける。
「蘭華今日は1日ゆっくりしたければすればいい。」
「・・・」
半信半疑な目でジッと
サソリをみる蘭華に
「そんな目で見るなんていいのか蘭華?誰一人として今日一日お前の部屋には近づけずに、望み通りゆっくり部屋にこもらせてやろうと思ってt「やったあぁぁ!!サソリったら、最高!本当よね!絶対に約束破らないでよ!もうちょう大好き!きゃっきゃっ、それじゃあ皆々様、本日はこの辺でサヨウナラ。」」
「今蘭華、旦那に大好きって言わなかったか?うん。」
「・・・ナンセンスだ。」
「蘭華さん!ちょっと、あぁ…行かれましたね。」
サソリに投げキッスまで飛ばし
自分の部屋に戻って行った蘭華
一気に騒がしさが無くなり蘭華がリビングにいないのであれば自分たちもそれぞれに趣味や腕鍛えに離れて行くメンバー。
さて部屋の扉を閉め鍵までご丁寧にかけ
にやけ面で何か企む蘭華
ふふふふっ、この日が来るのを待ちに待った。
逃げ出す機会は幾度もあったのにジッと時を待ったアタシって偉いわ。ふはははは。
ダミーの蘭華人形を自作で作ってみたの。
もちろん、サソリのようなカタカタ人形を作れるクオリティーなんてないからサソリがそこら辺に捨ててた人形の部品を繋ぎ合わせて、此処に連れてこられてからなんだかんだ勝手に増えて行く持ち前の忍の服装以外の私服の1着を選び着せてベッドに寝かせる。
鬘もサソリの部屋から拝借したのをつけて。
さぁ今から彼のもとへ、
ワクワクドキドキと胸をときめかせて。
瞬身の術を使って木の葉へレッツゴー!!