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ネズミの街 - 前 -
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愛しのナルト様に愛の証である頬に傷を
「たまたまな、たまたま偶然にだ。」
つけてもらった夜から、監視が酷くなり
「そりゃあ、なるだろ」
毎日誰かと一緒に寝るんです。
アタシの初めてはナルト様と、と思っていたのに…
「紛らわしい言い方していると本当に奪うぞ」
「えっ、やっぱり蘭華は処「な訳ないでしょ。」」
「「「「「蘭華さん!!!?」」」」」
「それホントかよ、うん!?」
「・・・なわけないでしょ。」
「え?どっちなんだよ蘭華?うん。」
その日の夜は
「無視か!?無視なのか!!?うん」
なぜか青骨の顔がいつも以上に凸凹していて
「蘭華さん」
「くはははっ」
ちょとびっくりした鬼鮫の部屋で、イタチにサソリにトビに、それから、えーと
「オイラは!!?」
昨日はそうね、デイダラだったわ。
「だいたいなんでトビより後なんだよ、うん」
「先輩ひがまないでください。」
今日の夜は確かリーダーだったかしら?まぁそれはいいとして、そんでもって今日はアタシ、イタチDayなの。
「なんでイタチなんだ。うん」
ということで…
「無視しすぎだろ。うん」
「ねぇイタチ、今日の任務はどこに行って何をつぶすの?」
蘭華はイタチの座っているソファの横に腰掛わくわくと聞く。
「・・・何も決まっていないのだが、その口調だともう決まっているようだな。」
横目で蘭華を見ながら答えるイタチにさも、いつも任務とはそういうことなのではとばかりに思っていたがうえの驚いた表情で
「えっ、いつもそういう事してるんじゃないの?」
そう聞く蘭華に呆れたように肩を少し揺らし
「蘭華考えることがひとまとめすぎている、なんともナンセンスだ。」
顔をこちらに向けて冷静に言われた蘭華は、ムスッとして
「…なによ、もういい。」
イタチと合わしていた視線をフィっと反対方向へそむけた。
「…ふっ、そう、怒るな。」
そんな蘭華に切れ目をもっと細め緩んだ優しい瞳で、愛しそうな表情を向けて二人の間にあいた隙をなくすように近寄り蘭華の肩を抱き寄せる。
「怒って・な・い!ムッとしただけよ。」
そんなイタチの行動などまったく気にも留めずに斜めった体で自分より数センチ上にあるイタチの顔を、瞳を覗き込みながら自己主張する蘭華
あと数センチイタチが顔を下に向ければ蘭華の唇と唇が引っ付いてしまう距離。
「それは、悪かった。そう機嫌を悪くするな。今から私の部屋でたっぷりk「なーにいってんだ?ここを何処だと思ってんだ?抜け駆けさせる筈ねぇだろ。」」
ソファーの背もたれから、二人の間にヌッと顔を出したのは鬼鮫なのに聞こえる声はとても低いデイダラの声。
さすがに、鬼鮫とどうこうなりたいはずもなくイタチはため息をつき、蘭華の肩を抱いていた腕をはずす。
うひゃっ。とそのまま、バランス崩してイタチの太ももに蘭華がポスッと顔からダイブしたのは言うまでもなく思わぬ展開にイタチが内心喜び、デイダラの機嫌がもっと損なったのは目に見てとれた。
鬼鮫は、鬼鮫で微妙な体勢をどうにかしたくて動きたくとも後ろにいるデイダラが腰辺りに体重をかけているためのいてくれないとどうにもできず、イタチ以上にため息をつきたくて仕方なかった。
そんな空気の中、なにも知らずのトビが今日の任務が決まったらしく巻物を各自に渡す。
最近はトビとデイダラがコンビを組んでおりサソリはもっぱら単独行動が多くなった。
そんな中いつも通りのコンビイタチと鬼鮫。
蘭華はイタチの太ももから顔を上げて巻物の外面をぼーっと見ている。
「ふーん。そう。」
なんとも意味深な一人納得した蘭華はガバリと起き上がり者たちの視線を集めながらもイタチと鬼鮫を交互にみて
「…ついていくから、用意してくる。待っててね。」
何とも読みずらい表情をして自分の部屋に消えていく蘭華を無言で見送る。
「イタチさん・・・蘭華さん今日の任務内容見えたんでしょうか?」
「・・・」
「…あいつ透視能力なんてもっていたのか?」
「なんでイタチなんだよ、オイラと任務でいいじゃねーか。蘭華」
「先輩、そう凹まないで下さいよ…ハァ」
そういってトビは消え、デイダラが本格的にいじけだしそうになってきた頃蘭華がデイダラの突っ立ていた後ろから腰に腕をからませ、ヒョイッとわきあたりから顔をだしうな垂れ下を向いていたデイダラの顔を、下から悪戯っ子のような顔してのぞきこむ。
「うわっ。」
と小さな声で驚きながらも自前の長い金髪で蘭華の顔を周りから隠すようにしながら、チュッと蘭華のでこにキスを軽く落とした後、何を思ったのか腰に抱き着いていた蘭華の腕を優しく軽くはずすデイダラの行動がいまいちつかめず、デコにちゅうをされたことも、毎度のことだと気にもせずに覗き込むのをやめてデイダラの背に向いて突っ立てる蘭華の方に向き直りギュッと抱きしめるデイダラ。
その行動に今度は蘭華が
「わっ」と驚く番だった。
「蘭華どうしたんだ?うん」
先程までの凹み具合と言い機嫌の悪さすら感じ取れない程機嫌の良さが全面的に漂い、ニコニコと蘭華のサラサラの長い髪を優しく指を通し梳きながら腰に腕を通し二人の隙間など、上半身から少し目線を合わすためだけに離れているぐらいの距離でなんとも愛おしそうに甘い声を出すデイダラ。